コラム

ひろばコラム 2024年5月14日

まず、柏崎を止める。――進行する国家主義に抗して 
新潟国際情報大学教授 佐々木 寛

21世紀の「赤狩り」映画『オッペンハイマー』の重要なテーマのひとつは、1950年代アメリカの「赤狩り」である。「原爆の父」、オッペンハイマーは、マンハッタン計画を成功裡に導き、国家的な英雄になったものの、ソ連との止めどない核軍拡競争に異を唱え、共産主義との関係を疑われて尋問される。マッカーシズムという社会的狂気と、核開…
ひろばコラム 2024年4月17日

「羊頭狗肉」の改憲論議?
 【2024.4】早稲田大学教授 愛敬 浩二

現在の改憲論議と議員任期延長問題自民党議員の裏金問題によって国民の間の政治不信が高まり、岸田政権の支持率も低位安定する中、衆議院憲法審査会が開催され、今国会で実質的な討議が初めて行われた(4月11日)。翌朝の朝日新聞の記事によると、自民・公明両党と日本維新の会・国民民主党が憲法改正に向けた原案づくりに前向きな姿勢を示し…
ひろばコラム 2024年3月22日

「贈収賄政治」で生きるしかない自民党に政治改革はできない
野党は政治資金規制改革で妥協せず政権交代を目指せ
 ―千載一遇のチャンスを生かすには立憲勢力リーダーの勇気が必要
【2024.3】古賀茂明政策ラボ代表 古賀茂明

自民党の「贈収賄政治」自民党の生存システムは、「企業と団体から資金提供と集票協力を得ることにより政権を維持し、その見返りに彼らに便宜供与する」という仕組みです。これは、「贈収賄」の構造ですが、一つ一つの献金と個別の補助金や減税措置や公共事業の配分などが直接結びついていないから刑事立件されないだけのことです。現在問題とな…
ひろばコラム 2024年2月26日

統一教会の本質は「反共謀略組織」
ジャーナリスト 有田芳生(2024.2)

盛山正仁文科大臣への不信決議案が、2月20日の衆議院本会議で否決された。統一教会への解散命令請求を所管する文科大臣は、教団と「関係を絶った」と言いながら、2021年の総選挙では、「推薦確認書」=政策協定にサインし、信者たちは有権者に電話をかけるなどの選挙支援を行っていたことを隠していた。あれだけ支援をしたにも関わらず教…
ひろばコラム 2023年11月14日

自己責任を強いるこの国の公助のお粗末さ
つくろい東京ファンド 小林美穂子【2023.11】

「公助は反社に負けていて、共助は貧困ビジネスに負けている」衝撃的だが実に核心をついているこの言葉は、つくろい東京ファンドの同僚佐々木大志郎が発した言葉だ。彼はコロナ禍以降、SNSを活用して生活困窮に陥る若者たちに向けてあらゆる方法で声を届け、日夜問わず対応し、その状況を作り出す社会構造と向き合ってきている。生活困窮者支…