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2016-Sep-09

民進党代表選挙に対する見解

現在、民進党が発足してから初めての代表選挙が行われています。民進党の国会議員、党員・サポーターだけではなく、より広範な市民の前で、民進党と野党のこれからの進むべき進路について活発な議論が行われることを、私たち市民連合も期待しています。

 リーダーシップの交代によって党全体のイメージの刷新を図る方針は十分に理解できるものですが、代表選挙にあたっては、民進党がこれまでに岡田克也代表の下で成し遂げたことを正当に評価したうえで、今後、新しい代表とともにいっそう努力を傾注していく課題や目標を議論すべきではないでしょうか。

 確かに、参議院選挙で与党の勝利と改憲勢力の3分の2を許してしまったことは痛恨の極みですが、本来は圧倒的に不利な32の1人区すべてで野党統一候補を擁立し、11議席を獲得したという多大な成果と可能性を見失うことがあってはなりません。市民の後押しする野党共闘がなく、民進党の獲得議席が2013年並みに止まっていたならば、民進党は結党早々から解党の危機に直面していたものと思われます。岡田執行部の下、民進党が市民に向き合い、他の立憲野党と手を携え、安倍強権政治と正面から戦う姿勢をとったことによって、立憲主義と民主主義は土壇場で踏ん張ることができたとも言えます。

 ところが残念ながら、これまでの各代表候補の発言を聞くかぎり、次の国政選挙における野党共闘について政党間の組み合わせにかかわる内向きなやり取りが先行しており、昨年の安保法制反対運動以来の市民運動と政党の関係や今年の参議院選挙における野党共闘の意義に関して、広い視野からの評価が欠けています。挙げ句の果てに、特定候補に対する差別的な意図さえ見え隠れする卑劣な攻撃が、何の法的な問題もないのに「国籍問題」として、代表選挙における貴重な議論の機会を乗っ取りかねない事態を招いていることを、私たちは看過することができません。

 今こそ民進党は、参議院選挙では野党間だけではなく、野党と広範な市民運動が連携したことが、1人区での多くの勝利をもたらしたことを的確に再認識すべきではないでしょうか。そして、これから安倍政治と対峙し、政権交代を目指していくためには、衆議院選挙での小選挙区で勝つことが大前提です。そのためには、このような立憲野党と市民の協力を持続していく以外にないことも明らかです。また、それこそが安倍政治に不安や不満を持つ市民の期待にこたえる道だと考えます。

 政治に対する市民の希望を取り戻し、みんなのための政策を実現していくために、野党第一党である民進党への期待とその責任は極めて大きいと言えます。衆議院選挙における選挙協力には、政策合意のいっそうの深化や広範な協力体制の構築が前提となることは、言うまでもありません。私たち市民連合は、代表選の残りの期間、「国民とともに進む」民進党が、その名にかなった市民や野党との共闘についての前向きな議論を深めることを強く求めます。

2016-Aug-02

東京都知事選の結果についての見解

東京都知事選の結果についての見解

 2016年7月31日の東京都知事選挙において、小池百合子候補が当選し、市民連合が推薦をした鳥越俊太郎候補は増田寛也候補に次ぐ3位に終わりました。鳥越候補が、都知事選における野党候補としては久しぶりに100万票を超える130万票あまりを獲得したとは言え、不本意な結果となったことを重く受け止めています。
 前都知事の突然の辞職を受けて、参議院選挙のさなかから野党統一候補の擁立を模索する関係者の努力がなされましたが、そのプロセスは決して平坦とは言えませんでした。市民連合では、7月13日に宇都宮健児氏が出馬を取りやめられたことを受けて15日に懇談を請い、お話を伺いました。その上で、翌16日に政策協議を経て鳥越候補を推薦する方針であることを表明し、19日に鳥越候補との政策懇談会を持ち、正式に推薦を致しました。
 しかし、7月10日の参議院選挙が終わるまで、市民連合としては都知事選に一切関与する余裕がなかったこともあり、メディアの煽る劇場型選挙に抗することができず、また、野党統一候補への支援体制の構築が大幅に出遅れたことが、残念な結果につながってしまいました。
 都知事選は国政選挙と多分に異なる事情があり、今回、力不足であったことをもって野党共闘そのものを失敗と決めつけるのは的外れであり、それこそ改憲勢力の思う壺と言わざるを得ません。
 しかし今後、市民と野党の信頼関係にもとづく共闘をいっそう深化させるためには、候補者一本化にあたって、充分な透明性や政策論議を担保することが喫緊の課題であることを痛感しています。市民連合としては、10月の衆議院補選そして来るべき衆議院選挙に際して野党共闘をさらに強力なものにするため、原則として公開の政策討論会や候補者と野党間の公開協議などを実施することを、野党に積極的に要請していきたいと考えます。

2016年8月2日

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

2016-Jul-26

今後の市民連合の活動方針について

今後の市民連合の活動方針について

参議院選挙期間中、自公連立与党が「憲法改正は主要な争点ではない」と繰り返していたにもかかわらず、安倍政権やその影響下にあるメディアは選挙後にわかに、あたかも憲法改正が既定路線であるかのように有権者をあざむいています。
私たち市民連合は、改憲そのものを自己目的化するような倒錯した思考を拒絶し、個人の尊厳を擁護する政治の実現をめざして、ひきつづき安保法制の廃止と立憲主義の回復を求めてまいります。
各種世論調査を見ても明らかなように、主権者たる国民は憲法改正を喫緊の課題とはとらえておらず、改憲論議を勝手に進めていくことを国会議員に委任したとは到底言えないことから、安倍政権率いる「改憲勢力」は、今後、市民とともに共闘してきた立憲野党(民進党、共産党、社民党、生活の党)の分断を図り、改憲発議や国民投票と連動させるかたちで衆議院の解散総選挙を仕掛け、民主的正統性や立憲主義の見せかけを調達しようとする可能性があります。
そこで、私たち市民連合としては、ひきつづき全国各地の市民運動と連携しつつ、来るべき衆議院選挙における小選挙区での野党共闘の取り組みを後押しするとともに、個人の尊厳を擁護する政治をいっそう具体化していくために立憲野党との政策協議を積みかさねていきたいと考えています。私たちの代表を一人でも多く衆議院に送り込むために、主権者たる市民の皆さんの粘り強い政治参加を呼びかけます。

2016年7月26日

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

野党4党の政策に対する市民連合の要望書

来る参議院選挙において、以下の政策を掲げ、その実現に努めるよう野党4党に要望します。

  • 安全保障関連法の廃止と立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を含む)を実現すること、そのための最低限の前提として、参議院において与党および改憲勢力が3分の2の議席を獲得し、憲法改正へと動くことを何としても阻止することを望みます。
  • すべての国民の個人の尊厳を無条件で尊重し、これまでの政策的支援からこぼれおちていた若者と女性も含めて、公正で持続可能な社会と経済をつくるための機会を保障することを望みます。
  • 1保育の質の向上と拡充、保育士の待遇の大幅改善、高校完全無償化、給付制奨学金・奨学金債務の減免、正規・非正規の均等待遇、同一価値労働同一賃金、最低賃金を1,000円以上に引き上げ、若いカップル・家族のためのセーフティネットとしての公共住宅の拡大、公職選挙法の改正(被選挙権年齢の引き下げ、市民に開かれた選挙のための抜本的見直し)
  • 2女性に対する雇用差別の撤廃、男女賃金格差の是正、選択的夫婦別姓の実現、国と地方議会における議員の男女同数を目指すこと、包括的な性暴力禁止法と性暴力被害者支援法の制定
  • 3貧困の解消、累進所得税、法人課税、資産課税のバランスの回復による公正な税制の実現(タックスヘイブン対策を含む)、今回のTPP合意反対、被災地復興支援、沖縄の民意を無視した辺野古新基地建設の中止、原発に依存しない社会の実現へ向けた地域分散型エネルギーの推進

安倍政権の問題点まとめ

  1. 立憲民主主義を壊す安保法制

    政府の恣意的な憲法解釈の変更により、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を強行し、立憲主義の大原則や法的安定性を著しく損ねました。また民主的なプロセスとしても多くの問題を残したまま、憲法違反の安保法制の整備を強行しました。
  2. ナチスの手口に学ぶ!?

    安倍政権は、さらに憲法の明文改正をめざすとしています。しかし、憲法のどの条文を改正するかはこれから議論すればいい、などと本末転倒な態度を取っています。具体的には緊急事態条項を加える意向を示していますが、その内容はナチスの全権委任法のように立憲主義を不可逆的に破壊しかねないものです。
  3. アベノミクスで「消えた」年金や賃金

    アベノミクスは失敗に終わりました。取って付けたように「同一労働同一賃金」を言い出したりしていますが、これまで格差・貧困の拡大を放置し、雇用の不安定化を加速してきたこととのつじつまが全く合いません。安倍政権で、実質賃金は下がりつづけ、株式市場に注ぎ込まれた年金は消えてなくなりました。
  4. 個人の自由や尊厳を脅かす強権政治

    安倍政権はさらに、公約違反のTPP推進や原発の再稼動、沖縄の辺野古新基地建設などを強行しています。また教育現場やマスコミに対する統制を強め、自由な言論の前提を破壊するために、政府への反対を「偏向」と決めつけ、萎縮させようとしています。
  5. 今さえ良ければいい、ではダメ!

    安倍政権にブレーキを掛けない限り、あたかも東京オリンピックの開催される2020年で日本は燃え尽きてなくなってしまうかのような近視眼的な政治に陥り、このままでは若者、子や孫の世代まで継承できるような政治、経済、社会を維持、発展させることはできません。

野党共闘はなぜ必要か

  1. 危険!改憲勢力が3分の2に!?

    現在、自民党116議席、公明党20議席で、与党は計136議席。これにおおさか維新などのほかの改憲勢力を加えると、約150議席です。今夏の参議院選挙で改憲勢力が、約10議席上乗せすれば、改憲発議に必要な3分の2にあたる162議席を確保してしまう恐れがあります。
  2. 野党勢力の結集で1人区を勝つ

    121ある改選議席の4分の1を超える32議席が、1人区で争われます。2013年には31あった1人区のうち自民党が29議席も勝っていますが、2007年には、当時29あった1人区のうち23で野党が勝利しました。候補者を一本化し、明確な与野党対立構図を有権者に提示して投票率を上げることに成功すれば、野党にも充分勝機はあります。
  3. 明確な与野党対決構図で投票率アップ

    2013年の参議院選挙では、戦後3番目に低い52.6%まで投票率が落ち込み、野党が惨敗しました。しかし、明確な与野党対決構図が描けたら、投票率を60%ほどまで押し上げることも夢ではありません。ちなみに2007年に野党がねじれ国会を実現し、安倍首相を退陣に追い込んだ時は58.6%まで上がりました。
  4. 投票率を上げ複数区や比例区も勝つ

    1人区が与野党対決で盛り上がると、複数区や比例区でも野党票を増加させることができます。野党候補同士が限られた票を競い合うのではなく、自公政権に歯止めをかける野党への期待を高め野党票全体を押し上げれば、複数区や比例区においても当選できる野党候補の数が増えます。
  5. 国家の暴走 vs 個人の尊厳!

    こうして「国家権力の暴走を進める与党」対「自由で尊厳ある個々人の生活を守り育む野党」という全国的な与野党対決構図を野党共闘・市民連合で実現し、選挙を盛り上げ、投票率を上げることができれば、野党にも勝機が見えてきます。