第27回参議院選挙に向けて

立憲政治の深刻な危機に直面し、それに抗するべく「市民と野党の共闘」が始まって以来、今回第4回目の参院選を迎える。今回の参院選も、立憲政治を破壊し、裏金政治と政治の私物化、さらには「失われた30年」をもたらした自民党政治への国民の判断が問われる。
昨年の衆院選では、自公政権を少数与党に追い込み、多くの国会議員が「国会の風景も変わった」と語るようになった。高額医療費の上限引き上げ凍結、企業・団体献金禁止の国会審議、選択的夫婦別姓の28年ぶりの審議開始など、変化の兆しも見られた。しかし、裏金問題は、依然としてまったく解決しておらず、新自由主義で蓄積された矛盾は、市民の生活をさらに苦しめている。世界秩序が大きくゆらぎ、まさに平和への構想力が問われているにもかかわらず、日本外交は、未だに沖縄を犠牲にし続け、軍拡と対米追従以外の選択肢を描けずにいる。今まさに、その根底から限界を迎えた自公政治からの決別が要請されている。今回の参院選で、参議院でも自公を少数へと追い込むことは、来るべき政権交代への大きな足掛かりとなるだろう。
先月私たちは、立憲各野党(立憲民主党・日本共産党・社会民主党・沖縄の風)に政策要望、「『信じられる未来』へ――平和を守り、真に豊かな生活をとりもどす」を手渡し、そのための共闘の維持と拡大を相互に確認した。政策要望は、①戦争と暴力に基づかない社会、②暮らしといのち第一(ライフ・ファースト)の社会、③すべての個人の尊厳が尊重される社会という、これからの来るべき社会の姿を大きく三つの方向性で指し示している。この国のゆくえを、中長期的にどちらの方向に設定すべきなのか、参議院選挙で問われているのは、まさにその大きな文脈である。市民連合は、立憲野党とともに、昨年の衆議院選挙での弱点の克服をめざして、多くの選挙区で、候補者の調整・一本化、野党共闘を実現してきた。この経過も踏まえ、参議院選挙では、立憲野党の勝利めざして、頑張ろう
世界は大きく動きつつある。経済的矛盾のみならず戦争の論理も世界を覆いつつある。排外主義や差別も大手をふるって街中を闊歩するようになった。私たち市民は、そのような偏狭な国家主義の危険性を排し、真に「信じられる未来」を構想する。また、そのためにあらゆる既存の境界を超えて連帯=共闘したいと願う。
2025年7月3日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合