立憲野党との意見交換会を行いました
(2023年9月14日)
2023年9月14日、衆議院第二議員会館で、市民連合の呼びかけにより、立憲野党の代表・幹事長・書記局長のみなさんとの意見交換会を開催しました。立憲民主党からは岡田克也幹事長、日本共産党からは小池晃書記局長、れいわ新選組からは櫛渕万里共同代表、社会民主党からは服部良一幹事長、沖縄の風からは高良鉄美幹事長が参加、また、立憲民主党の大串博志選挙対策委員長、日本共産党の穀田恵二選挙対策委員長も同席しました。市民連合からは、運営委員の中野晃一さん、高田健さん、菱山南帆子さん、事務局として福山真劫さん、竹内広人さん、菊地敬嗣さん、塩田潤さんが参加しました。
最初に運営委員の中野晃一さんから、8月上旬に立憲野党各党に要請した「立憲野党と市民の共闘で、憲法9条と13条の政治の実現を」の内容を踏まえながら、「岸田政権の内閣改造を見ても、どこを向いて政治をやっているのかわからない布陣だ。日米同盟強化の問題などさまざまな政策課題のあるなかで、立憲野党のみなさんには来たる臨時国会でも、ぜひ同じ方向を向いて論戦を行ってほしい。前回要望した憲法9条や13条の精神を具体化させていく方向性は、立憲野党各党とも共通しているはずだ。日本の底が抜けてしまっているような状況の中で、今の流れを変えるためにともに取り組んでいこう。」と発言しました。
これに対して、立憲民主党の岡田幹事長は「内閣改造を見ても、全く国民の方を向いていない人事となっている。臨時国会についても与党は論戦を避け、長くやろうとはしていないのではないか。このような中で、野党がしっかり力を合わせていくことが必要だ。今の政治に危機感を持っている人たちと一緒に、自公の政治に対抗していかなければならない。」と発言、日本共産党の小池書記局長は「今の自公政権には、国民の声をきく力が全くないことが、内閣改造で明らかになった。マイナンバー制度やインボイス制度の問題など、国政の問題が山積している中で、野党が一丸となって戦っていくことが必要ではないか。憲法9条、13条はその土台となりうるし、さらには、立憲主義がその基本となるのではないか。」と発言しました。また、れいわ新選組の櫛渕共同代表は「国民のために何もしない自公政権を倒さなければならない。そのためには憲法9条、13条はもちろんのこと、国民の生存権と国によるは生活保障の義務を定めた憲法25条も重要だと思う。いま何よりも重要なことは国民の命と生活を守っていくことだ。」と発言、社会民主党の服部良一幹事長は「憲法9条がある中で、いま戦後の日本の平和政策が根本的に変えられようとしている。また、国民の生活を顧みない政策を続けてきたツケがいまの少子化問題や貧困・格差の問題などに繋がってきている。今こそ憲法9条、13条の意義を政治の世界で共有していくことが必要ではないか。」と発言、沖縄の風の高良幹事長は「いいタイミングでの今回の会合の呼びかけだったと思う。沖縄では、最高裁での辺野古の判決が出て、日本の司法は中立ではなく、機能不全を起こしているという議論になっている。玉城知事は日本政府ではなく、国連に行って、直接訴えをしようとしている。このような中で私たちも憲法9条、13条の理念を共有できる政党と、協力体制を作っていきたいと考えている。」と発言しました。
これを受けて中野晃一さんから、「いま議論されている政策の方向を実現していくためにも、野党共闘をきちんと進めていかなければならないのではないか。今の日本の選挙制度では、単純な二大政党制は難しい。自民党はそれがわかっているので公明党と『与党共闘』をしている。このただでさえ強大な与党に対して、こちらがバラバラでは勝ち目がないのは当たり前だ。また、それと同時に比例の議席のことを考えれば、立憲野党それぞれが政策の独自性を打ち出して、それぞれが得票を伸ばしていくことも必要だ。この間の取り組みを踏まえて、我々としても成熟した野党共闘・連携のあり方を考えていくべき時がきているのではないか。」と提起されました。
これに対して、立憲民主党の岡田幹事長は「10月解散総選挙の可能性はかなりあると考えている。時間はあまりない。この中で、野党議席の最大化という目的のために野党間で連携し力を合わせていくことが必要と考えている。すべての選挙区ではなくとも、可能な限り『一本化』を含む候補者調整が重要であるとの基本的な認識に立っている。」と発言、日本共産党の小池書記局長は「2021年の衆議院選挙の野党共闘では59の小選挙区で勝利しており、決して失敗ではなかった。さまざまな攻撃を跳ね返し、市民と野党の共闘で政治を変えていくことが必要だ。一方では、日本共産党としても議席を伸ばしていかなければならず、候補者の擁立を進めている。いま野党共闘に関して困難な状況に直面してはいるが、今後、何らかの協力、連携の意思が改めて示されれば、前に進めていけるのではないか。」と発言、れいわ新選組の櫛渕共同代表は「自公政権を倒さなければならないということについては一致しているが、れいわ新撰組としては、野党共闘に全面的に参加するという方針にはなっていない。しかし、地域ごとに条件が整っているところについては、それぞれ調整を進めていくことは可能だと思う。」と発言しました。また、社会民主党の服部良一幹事長は「現在の政治の翼賛化の状況を見て、野党の今後の展望に強い危機感を感じている。何としても、立憲野党の連携を強化していきたい。社民党としても候補を擁立しようとしているが、単なる棲み分けだけでなく、希望を感じられるような連携をつくりだしていきたい。」と発言、沖縄の風の高良幹事長は「共闘の中身をどうするかということが課題だと思う。沖縄では辺野古新基地建設の撤回・断念を求める『建白書』がいろんな勢力を結びつける土台となっている。よるべき最大公約数を提示して、今の政治に対して批判的な保守層も巻き込んでいけるものにすべきだ。」と発言しました。
続いて、運営委員の高田さんから「この間、通常国会で問題のある法律が山積していたにもかかわらず、国会の外での運動は必ずしも十分ではなかったと思っている。今度の9月19日は安保法制の成立からから丸8年目になる。また、九条の会でも10月5日に大きな集会を予定している。11月3日の行動も予定している。運動を盛り上げていくためにも、引き続きの連携をお願いしたい。」と発言、運営委員の菱山さんからは「若者で話していると、戦争に対する不安が多く聞かれる。南西諸島にミサイル配備されている状況には、恐怖を覚える。何としても平和な世の中を守っていくために連携を広げていきたいが、それには信頼にたるプラットフォームが必要だ。今、市民連合に集まっている女性たちで『フェミブリッジアクション』という運動を立ち上げている。立憲野党の皆さんにも是非協力をお願いしたい。」と発言しました。
以上を受けて、立憲民主党の岡田幹事長からは、「このままバラバラでたたかえば与党を利するだけだ。我々としても市民連合から要請のあった憲法9条や13条の精神を具体化させていく方向性には共感している。市民連合が考える政治の姿を示してもらえれば、党の中でも議論をさせてもらうし、それを各党が賛同できるのであれば、野党連携のきっかけになっていくのではないか。」と発言、日本共産党の小池書記局長は、「やはり運動が大切だ。いろんな取り組みの中で、新しい人たちが集まってくる。いま問題なのは大軍拡の問題であり、9月19日の集会は重要だ。また、9条の会の集会や、フェミブリッジの取り組みにも、大きく期待をしている。これらの運動をみなさんと取り組むことを通じて、野党共闘の再構築を実現していきたい。」と発言しました。また、れいわ新選組の櫛渕共同代表は「今ある運動を継続していくとともに、新しい運動を立ち上げていくことも必要だ。れいわ新選組では、選挙に行っていない50%の人たちが参加してくれるように、消費税廃止を軸とした新たな運動を立ち上げている。それぞれが取り組みながら、共通してできるところは連携していきたい。」と発言、社会民主党の服部良一幹事長は「必要なのは市民と野党の共闘なのだと思う。安保法制の時は運動が盛り上がり、それが我々の背中を押してくれた。市民連合には、我々市民と立憲野党がどのような未来を作りたいのかについて、イメージを示してもらいたいと期待としている。」と発言、沖縄の風の高良幹事長は「軍拡の問題は深刻だ。戦争は生活全てを破壊するものだ、憲法9条を孤立させてはならない。これが原点であり、我々が一致して、平和をまもっていくことが必要だと思っている。」と発言しました。
最後に中野晃一さんから「我々がバラバラでは与党を利するだけだ。若者たちが希望もなくうごめいている中で、われわれが『大人の責任』で、分断を乗り越えて希望を提示することが必要なのではないか。それを実現するためにも、野党共闘の態勢をできるだけ早くつくっていきたい。」と発言し、意見交換会を終了しました。
なお、市民連合は、国民民主党にも今回の意見交換会への参加を呼びかけましたが、同党は参加しませんでした。