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野党共闘の実現に向けて、立憲野党に要請を行いました(2023.8.10~9.1)
「立憲野党と市民の共闘で、憲法9条と13条の政治の実現を」

市民連合は、2023年8月8日に立憲民主党、8月9日にれいわ新選組、8月10日に社会民主党と日本共産党に、「立憲野党と市民の共闘で、憲法9条と13条の政治の実現を」を手交し、要請を行いました。また、9月1日には国民民主党事務局に要請書を手交しました(要請書については下記添付をご参照ください)。

1. 立憲民主党

8月8日12時30分から立憲民主党本部で行われました。立憲民主党からは泉健太代表、岡田克也幹事長、大串博志選挙対策委員長、市民連合からは、運営委員の佐々木寛さん、戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会から高田健さん、土井登美江さん、市民と野党をつなぐ会@東京から鈴木国男さん、松井奈穂さん、韮澤進さん、町田市民連合から大西宏さん、事務局として福山真劫さん、竹内広人さんが参加しました。

要請書を手交したのち、佐々木運営委員から「日本維新の会の馬場代表の『第2自民党』発言にもみられるように、今の政治は体制翼賛化が進んでいる。立憲民主党には今の保守政治に対するオルタナティブを示して、野党第一党としての役割を果たしてほしい。その際には、可能な限り、翼賛勢力ではない他の野党とも協力をすべきであり、憲法9条や13条の理念を共有できる勢力としっかり連携をしてほしい。そのためにも、次期衆議院選挙に向けても、志を同じくする立憲野党の候補者の調整を大きく前進させることを強く要望したい。」と要請しました。

続いて各運営委員から、岸田内閣に対抗するための野党連携の必要性、立憲野党が議席を減らすことによって翼賛体制が完成してしまうことへの危機感、女性の問題をきちんと取り上げてほしいこと、税制改革などを通じた暮らしに寄り添った政策の実現や、野党共闘における政党間の政策合意の必要性、野党共闘に向けた市民の努力についての報告などについて、要請・報告がされました。

泉代表は、「いただいた要望については、我々も方向性は同じだ。我々は論憲政党であり憲法について議論はするが、立憲主義に基づく政治を実現するためにも、安易な憲法改正はすべきでないというスタンスだ。また、自民党の政治をやめさせるために、中道から穏健な保守層もふくめて、大きな勢力を作っていかなければならないと考えている。いかに多数派を作っていくかという観点で、今日いただいた要望も受け止めながら、前に進めていきたい。」と述べました。

また、岡田幹事長からは「市民との共闘ということについては、我々は一貫している。この間も、市民連合の政策を立憲民主党として賛同し、他の野党が同じ内容を賛同することにより、ブリッジができてきた。今回の要請についても、私たちも考えを共有するとともに、同じ考えを共有する野党各党との連携を強化して取り組んでいきたい。」との発言がありました。

最後に佐々木運営委員から「立憲民主党には平和の問題やエネルギーの問題など、もう少し政策を強く打ち出してほしい。そして我々こそが『新しい』政策、社会の姿をうちだしているのだということ、野党共闘こそ新しいのだということを、堂々と主張していってほしい。」と締めくくり、要請を終了しました。

2. れいわ新選組

8月9日17時15分から衆議院第二議員会館で行われました。れいわ新選組からは櫛渕万里共同代表が、市民連合からは市民と野党をつなぐ会@東京から鈴木国男さん、松井奈穂さん、韮澤進さん、事務局として福山真劫さん、竹内広人さんが参加しました。

冒頭、鈴木国男さんから「翼賛体制を作らせないために、立憲野党の共闘を強化してほしい」として、要請書「立憲野党と市民の共闘で、憲法9条と13条の政治の実現を」の内容に沿って要請しました。

続いて各参加者から、自治体選挙や国政選挙を通じて地域での市民と各立憲野党とのネットワークができてきていること、翼賛体制に向かっている日本の政治に対する危機感と、それを打開するためには、立憲野党と市民が共闘していくしかないことなど、発言がありました。

これに対し、櫛渕共同代表からは「要請書の内容について異論はない。趣旨については賛成だ。この間の国政選挙でも、れいわ新選組は、消費税について5%にするということを前提として、候補者をおろしてきた。しかし、先の衆議院選挙での東京8区(山本共同代表が選挙区から比例に回った)では残念な状況があり、これについては、きちんとした総括が必要だ。野党共闘については、政策を実現するためのものでなければならず、国民のためのものでなければならない。貧困・格差が深刻化しつつある今、国民の暮らしを良くすることが必要で、れいわ新選組もそのような目的の野党共闘に貢献できればいいと思っている。」との発言がありました。

続いて、各参加者から、政党間だけでなく、そこに市民が入って共闘の形を作っていく必要があることや、違う考えの政党・団体が共闘していく上では、お互いを「リスベクト」としながら進めていくことが重要であることなどの発言がありました。また、櫛渕共同代表からは、当日が8月9日の長崎・原爆の日であったことも踏まえて、核廃絶の必要性や、北東アジアの非核構想実現の必要性などについて発言があるなど、有意義な意見交換がされました。

最後に、立憲野党と市民の共闘の実現に向けて、引き続き努力していくことを確認し、要請を終えました。

3. 社会民主党

8月10日13時から参議院議員会館で行われました。社会民主党からは福島みずほ党首、服部良一幹事長が、市民連合からは運営委員の中野晃一さん、戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会の高田健さん、土井登美江さん、市民と野党をつなぐ会@東京から松井奈穂さん、韮澤進さん、岡本達思さん、事務局として福山真劫さん、竹内広人さんが参加しました。

要請書を手交したのち、中野晃一さんから「今の国会は、まるで憲法がないかのような状態で、お互い競い合って出鱈目なことをやっているように見える。このような時に、野党がどのような政治のビジョンを共有するのかが大切になってきている。このために憲法9条と13条を共通の政策ビジョンに据えて、憲法に基づく立憲民主主義を堅持していくべきと、要請させていただいた。そのような志を同じくする立憲野党の候補者の調整を、さらに大きく前進させることを要望したい。」と要請しました。
続いて参加者から、「第2自民党」を自称する日本維新の会が野党第一党になれば、憲法改正が一挙に進むのではないかとの危機感や、女性議員を増やしていってほしいこと、野党共闘に向けた地域での努力の報告や、社民党に立憲野党のつなぎ役になって欲しいこと、今の岸田政権が進める悪政を転換するために、市民と野党の共闘が必須であることなどについて、発言がありました。

 

福島みずほ党首は「思いは全く一緒だ。日本維新の会の『第二自民党』発言に対する危機感も共有している。必要なことは市民と野党の共闘を広げていって、こちら側は違う未来を作るのだ、ということをはっきり示していくことだと思う。社民党としては、次の衆議院選挙では、全てのブロックに選挙区候補を擁立していきたいと考えているが、同時に野党共闘の重要性も認識している。政党はそれぞれ組織原理や考え方の違いがあるが、今の悪政を変えていくという大きなところで一致して、やっていくことが必要だ。その際必要なのは選挙のための共通認識であって、政権公約ではない。まずは今の状況を変えるために、大きな政策方向で立憲野党がまとまることが必要だ。その上で、地域ごとに事情にあわせた市民と野党の共闘のやり方があると思うので、そこは画一的にやるべきではないと考えている。」と述べました。

服部良一幹事長からは「第1野党が日本維新の会に変わることになると、文字通り体制翼賛化が完成してしまう。改憲もリアリティーを持ってくるだろう。次の衆議院選挙は、戦後政治の流れがどうなるのかの分岐点になる。このような時、野党共闘を進める時にも、政策の軸がブレないようにしないといけない。」との発言がありました。

4. 日本共産党

8月10日15時30分から衆議院第一議員会館で行われました。日本共産党からは志位和夫委員長、小池晃書記局長、田村智子政策委員長が、市民連合からは運営委員の中野晃一さん、戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会の高田健さん、土井登美江さん、市民と野党をつなぐ会@東京から松井奈穂さん、韮澤進さん、岡本達思さん、市民連合あきる野の山下千尋さん、事務局として福山真劫さん、竹内広人さんが参加しました。

冒頭、中野晃一運営委員から「自民党の麻生副総裁が台湾で『戦う覚悟が地域の抑止力になる』と発言したことが伝えられている。平和を脅かす大変危険な発言であり、このような状況の中で、さらに日本維新の会が野党第一党になる事態がどういう意味を持つか、大変危惧をしている。今の政治の無責任体制の中で、誰もが責任を負わず、国会も憲法もないような状態をなんとかして変えていかなければならない。そのためには、野党が有権者に選択肢を示すことが必要であり、各野党でどういう政治のビジョンを共有することができるのか、議論が必要だ。今回の要請でお示しした憲法9条や13条などの理念は、共有できるものだと思う。引き続き野党共闘の実現に向けて努力をお願いしたい。」と要請しました。

続いて各参加者から、憲法改悪への危機感やそれを阻止するために立憲野党が共闘することの必要性、女性議員を増やしていくこと、野党共闘に向けた地域での努力の報告や、岸田政権が進める悪政を転換するために、市民と野党の共闘が必須であることなどについて発言があり、また、日本共産党が選挙区に候補者を擁立する際に、市民とも話しあって決めていってほしいことや、地域で直接各立憲野党間の政策協定を結んでいくことは可能かどうかなどの要望・質問がありました。

志位和夫委員長からは「今の政治状況に対する危機感は皆さんと同じだ。2015年の安保法制、そして今の『敵基地攻撃能力の保有』など、二重に立憲主義がないがしろにされている状態だ。2015年以来あしかけ8年、市民連合の皆さんと一緒にやってきた。色々と困難なこともあったが、各選挙で成果を上げてきたと思っている。今日改めてお話ししておきたいのは前回衆議院選挙の評価だ。メディアはあたかも野党共闘が失敗したような書き方をしたが、我々は失敗したと思ってはおらず、成功した事例も数多くあった。それを前提として、前に進む必要があると思っている。野党共闘を再構築しなければならないと思っているが、現状ではさまざまな難しい問題がある。特に問題なのは、候補者調整はやるけれど、選挙協力はしないと言われていることであり、こう言われると前に進めなくなる。また、地域での政策協定については、国政の話でもあるので、やはり政党本部間でのなんらかの合意が必要になると考えている。そうでなければ政策の実現に対して責任を持ち得ない。この点については理解をお願いしたい。」との発言がありました。

また、田村智子政策委員長からは、東京の各選挙区を回ってみて、改めて野党共闘の成果を実感しているとの発言がありました。

これに対して、中野晃一運営委員から「我々も2021年の衆議院選挙は失敗だとは思っていない。確かにもうひと押しすれば勝てたところが惜敗するなど、不十分な点はあったが、成果も大きかった。野党共闘か各党の主体性強化か、という誤った二択に陥ってはならない。市民連合の性格上、この間、どうしても選挙区での候補者の一本化というところに力点が置かれてきた。しかし同時に比例で各立憲野党の得票を増やすことも重要だ。日本共産党としても、比例得票を増やすために、ぜひ魅力ある独自のメッセージを出していってほしい。」と発言、これに対して志位和夫委員長から、「立憲野党各党がそれぞれの魅力を発信し、お互いに努力をしあうことが必要だ。また、マスコミが今の軍拡に向けた危険な動きを報道しない中で、運動を活性化させることも必要だ。この秋には、九条の会や、総がかり行動がいろいろな集会を企画していると聞いている。そのような取り組みの中から、共闘をつくり上げていこう。」との発言があり、引き続き協力していくことを確認して、要請を終了しました。

 

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