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第13回市民連合全国意見交換会ご報告

5月29日(土)に行われた、「第13回市民連合全国意見交換会」の報告です。

千葉県市民連合から報告があった「千葉県市民連合 各区市民連合男女比調査(2021.4)」「千葉県市民連合ハラスメントアンケート結果2021 (要約)」と「」を資料として付けてあります。

立憲野党に新しい政治の「選択肢」を示すことを求める【新しい政治の「選択肢」要請署名】への取り組み強化が呼びかけられています。

https://shiminrengo.com/shomei-2021

よろしくお願いします。

市民連合事務局

 

第13回市民連合全国意見交換会が5月29日(土)、午後2時からオンラインにて行われました。当日はYoutubeでの傍聴を含めて全国からおよそ120名が参加しました。高田健さんが司会進行を務めました。

はじめに山口二郎さんが、「4月の3つの選挙で連勝し、野党協力と市民参加の有効性が証明されました。総選挙の時期はわかりづらいのですが、市民連合としても全国レベルでは、共通政策の提起をしたいですし、各地域でも政策の議論を進め、選挙の体制を作っていく時期かと思います。世論調査の支持率を見ても、菅政権は危機的な状況かと思います。今日は4月の選挙の報告も聞きながら今後の進め方について共有したいと思います。」と挨拶をしました。

そして、事務局の福山真劫さんからこの間の経過の報告とともに、「総選挙に向けて、4月の3つの選挙の課題の克服が求められています。」と提起がなされました。

続いて、4月に補選・再選挙に取り組んだ北海道、長野、広島の市民連合から報告を受けました。

市民の風北海道の川原さんは、「課題がいくつかあり、まずは低い投票率でした。何が争点かわからない選挙になってしまったことと、コロナ禍の中での選挙ということで30%と過去最低に近い投票率になってしまいました。それから幅広い共闘ができるのと同時に合意点が狭くなったことでした。共闘の幅を広げると崩れてしまうというのは、おそらく全国どこでも起こっていることではないかと思いました。コロナ禍でオンラインでの合意形成も難しく、総選挙に向けてどうするかというのが大きな課題になってくるのではないかと思います。」と報告しました。

信州市民アクションの松本さんは、「選挙後に信州市民アクションと各野党による共同テーブルを開催し、選挙の総括を行いました。候補者であった羽田次郎さんも参加し、短い中で共闘が組めたことへの感謝の言葉と、共闘というものは違いを乗り越えて進めていくものなんだと挨拶がありました。今回SNS対策会議が設けられ、今後進めていかなければならないということが報告されました。市民連合は高齢者が中心となっていますが、SNSは若い人が得意なので、その部分をどう確保していくかということが今後の大きな課題となると思います。その部分で言えば、今回自民党に20代では負けていました。自民党は青年会議所に若い層を取り込んでおり、それが統一候補ではうまくいっていないことも課題だと思います。」と報告しました。

広島総ががり行動実行委員会の山田さんは、「バラバラに戦ったところで勝てる選挙ではないので、来る総選挙では今回統一候補で戦ったから勝てたのではないかということを、各野党に訴え共闘体勢を構築したいと思っています。若い人たちをどう選挙に関心を持たせるかということも課題です。」と報告しました。

以上の報告を受け運営委員の中野晃一さんからは、「これまでの報告を伺いいくつも学ぶところがあったように思いました。共闘を広くすると合意点が狭まってしまう、折り合いをどうつけるかの困難さはどこにもあると思いました。政治家は誰と話し誰といるかということに影響されるところがあると思うので、市民の側から励まし声をかけて育て続けることが重要だと思います。まっとうな政治をつくっていくためにはやはり野党がもっと強くならなければだめなんだということを広く伝えられらばと思います。この間男性ばかりが発言してしまっていますが、私たちの運動からも活性化しなければならないと思いますので、女性の参加者からも発言してもらえたらと思います。」と発言がありました。

その後、各地の市民連合から情勢の報告がありました。

福島県市民連合の二瓶さんからは、「福島県は日本で3番目に広い県。2,5区はまだ擁立がはっきりしていないので話し合いが続いているかと思います。また、この間は合意確認書を形成してきました。先ほどまでに新らしい層を取り込まなければならないというお話がありましたが、若者たちが本当に信頼できて尊敬に値するような大人が政治家であるような社会を作るために、私たちは心を砕いていかなければならないということを実感しています。イメージっていうものを若者たちに提示できるような努力を積み重ねていかないと、一部の人たちがいろんなことを言ってるだけだよということで終わってしまうんじゃないかなと思いますので、少しずつ具体化していきたいし、若者や女性の声を届けられるようにしていきたいと思っています。そして、女性が発言すると例えば言葉をかぶせる率は男性に対するよりも非常に多いんですね。そうすると女性はもう二度と会議に出てきません。そういった小さなところから改善していく必要があると思います。」と発言がありました。

「おかやまいっぽん」の木村さんは、「今回市民連合が発行した未来ビラを3区で1.3万枚を地元紙に折り込んだ。まだ候補者が決まっていないので取り組みを強化したいです。」と報告しました。

千葉県市民連合の関根さんは、「選挙に関しての報告ではないのですが、ジェンダーの課題について千葉で調査をしたので報告します。1つめに、千葉県にある市民連合14の団体の男女比率を調べました。男性が圧倒的に多く、女性が運営に関わっていないところも2つあり、運営委員を増やす努力をしているところもありました。2つめに、ハラスメントアンケートをとりました。県運営委員会の中で小選挙区の市民連合内でセクハラを受けたという報告があり、それだけでなく市民運動の中で様々なハラスメントで活動に参加できなくなったり、組織が機能しなくなったりとかということを聞いていたのがきっかけで、調査をしました。容姿のことを言われるとか、女性差別にあたる発言があったということがありました。女性が会議で発言すると軽く受け流し大きな声で被せてきたり、発言を否定したり命令口調で話されたりするという回答もありました。ハラスメントがあるということは、目を瞑りたくなるかもしれませんが、回答を共有することで新たな気づきになればと思います。」と報告しました。

選挙で変える!東京7区市民連合(ななれん)の韮澤さんは、「都議選について、立憲野党の議席を増やすには統一候補を立てなければいけないことを確認し、立憲野党の統一候補の実現を求める申し入れ書を提出しました。共闘するためにどのような政策ならば合意できるかの話し合いもしてきました。政策の不一致点がありましたが、互いの合意点で合意することにして、オリンピック・パラリンピックの中止を求めることを含め7項目の政策要望ができ、取り組みがスタートしました。ジェンダーについてななれんの運営事務局メンバーでは女性10人男性8人で女性優位というか、代表は女性です。投票率を上げるという取り組みについて、2018年の中野区長選挙で勝ったのは子育て世代の投票率が8%上がったことが要因。同じ世代が呼びかけたから響いたと思います。」と報告しました。

各地からの報告を受け、運営委員の山口二郎さんは、「15項目のアップデートし、包括的な政権像を描くことが大事だと思います。4月の選挙のからみても、実際に選挙協力をする時に絞り込んだ柱で枠組みを作ることも重要だと思います。どちらも準備していきたいです。」と発言しました。

事務局の福山真劫さんは、「全国で様々な苦労を重ねながら奮闘されているということで敬意を表したいと思いました。地方自治体関連の選挙はそれぞれ重要だと思います。ぜひそこでも野党共闘を組み立てて勝利するよう頑張っていただきたいと思っております。千葉からの報告については、できたら市民連合全体で紹介をしたいと思っております。また立憲野党に新しい政治の「選択肢」を示すことを求める【新しい政治の「選択肢」要請署名】に取り組んでいますが、より強めたいと思います」と発言しました。

最後に運営委員の広渡清吾さんから、「千葉の報告がありましたが、画期的だったと思います。また、福島からも報告がありましたが、もっともで、どのように運動を広げていくか検討が必要だと思います。今の日本の政治を考える上で市民連合がなかったら、どう政治を変えるかという展望をどこも打ち出せないのではないかと思います。この運動こそが今の状況で非常に大きな唯一の希望になっているのではないかと思います。全国でいろんな工夫が行われていて、これができるだけ大きく広がることが日本の社会を変えることにつながる希望を感じて聞いていました。」と挨拶がありました。

意見交換会で出た声を参考にし、選挙情勢も分析しながら、また次回の全国意見交換会を開催する予定です。