声明

沖縄県知事選の結果を受けて
(2026年9月26日)

私たちは、去る9月8日に「沖縄県知事選によせて」という緊急声明を出し、玉城デニー候補への支援を訴えました。しかし結果は、423,124票対276,060票という大差で古謝玄太氏が新しい知事となりました。自民系の県政は12年ぶりで、「オール沖縄」が全県選挙で敗北したのは2014年の結成以来初めてとなります。高市政権がまさに全力で古謝陣営を支援しただけでなく、国民民主党・参政党・日本保守党・公明党などの「野党」もこれに続きました。その意味では、「野党とは何か」という根本的な問いも浮かび上がった選挙でした。私たちにとってはとても残念な結果で、これからも多くの反省が必要です。ただ、まずは、玉城デニーさんご自身と、玉城支援で懸命に闘った市民のみなさんの健闘を労いたいと思います。

古謝氏は沖縄本土復帰後に生まれた初めての知事で、復帰後の歴代最年少の知事です。また何よりも、候補者の段階から政府が進める米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設容認を明言した初めての知事です。この古謝県政の誕生で、歴史上初めて、辺野古区‐名護市‐沖縄県がそろって辺野古移設容認の立場を取ることになりました。当選後、すぐに古謝氏は、「辺野古新基地建設問題対策課」を廃止しました。ただ、当選後に古謝氏自身も述べているように、今回の選挙結果をもって直ちに県民多数が辺野古を容認したわけではありません。実際、今回の選挙では米軍基地問題は十分な争点にはなりませんでした。

辺野古新基地建設に明確に反対してきた玉城県政では、日米の強権的な圧力に抗しながらも、県経済を順調に発展させ、教育福祉、交通支援の拡充を実現してきました。しかし実際は、基地問題と低所得という、沖縄県にとってもっとも根源的な諸問題は依然として活路を見出すことはできませんでした。古謝氏は「右でもなく左でもなく前へ」と訴えました。この「変わらない」沖縄に対して、県民が「変化」を求めたという議論には十分に頷くことができます。

しかし、「前に」進むことができなかった根本の原因はどこにあるでしょうか。それは、「国家安全保障」という名の下に沖縄に押し付けられてきた事実上の「差別」に抵抗を続けざるを得なかった沖縄県政ではなく、そもそも、辺野古埋め立て承認の「代執行」に代表される、日本政府の徹底した地方自治の否定と歴史的な構造的差別に起因するものでした。選挙後、高市政権は、あからさまに来年度の沖縄振興予算を3000億円以上に増額する予定だという報道もありました。「言う事をきけば、カネをやる。きかなければ、やらない」という沖縄県民を侮辱する植民地主義的な手法に、怒りを禁じ得ません。

辺野古の米軍基地建設は、昨年度までの支出総額が7835億円に上り、防衛省が示している総事業費9300億円の84%に達している一方で、埋め立て工事は17%しか進んでいません。さらに米軍にとって、辺野古は名目上の移設先であっても、真の主要拠点は別の場所や既存の基地に依存し続ける可能性も指摘されています。沖縄の基地負担は今後むしろ、継続・強化されるかもしれません。少なくとも古謝県政下では、自衛隊による空港・港湾の軍事利用や「南西シフト」にも弾みがつくでしょう。有事の際の島嶼部の避難計画を見れば、政府がそもそも島民の生命を守る意思があるのか、強い疑念が生じます。

本土の私たちは、沖縄に押し付けられている構造的な差別や抑圧について歴史的な責任があります。専らミサイルや軍隊に依存することのない、新しい安全保障政策、憲法の理念に基づく平和外交や平和構築の新しい手段を早急に編み出し、実践しなければなりません。沖縄の苦しみを前提としない「信じられる未来」は、今後の私たちにかかっていると言えます。

2026年9月26日               安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

 

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