日本初の女性首相誕生へ、
「金権マッチョ、自民にNO!」の言葉を贈る
【2025年10月22日】

この度の首班指名選挙で高市早苗衆院議員が総理大臣に指名されました。男性優位のこの国で初の女性首相の誕生です。
私たち、フェミブリッジは女性の政治参加・政治参画を訴えてきましたが、今回の「初の女性首相誕生」を歓迎することはできません。ましてや「ジェンダー平等の前進」と捉えることもできません。維新との連立を組む高市政権の誕生は、平和、人権、平等を求める私たちにとって、戦後最悪の政治を招くことになると予想されるからです。
周知のように、高市首相は党内でも強硬なタカ派、右派の政治家です。国際的にも超保守、極右と目されています。その理由は、憲法改正、安保三文書の改訂、軍拡推進、過去の靖国神社参拝、スパイ防止法制定への積極姿勢、「金権議員」の重用、排外主義の煽りと政策強化、国会議員定数削減ほか、「新たな戦前」づくりに拍車をかけているからです。公明党の連立離脱、日本維新の会との連立で、高市政権の底知れぬ暴走に巻き込まれ、最大の権利侵害を受けるのは一般市民です。この国の行く末に慄然とします。
戦争できる国づくりへの道は、女性差別を強化し、家父長制的な家制度に固執します。高市首相は、選択的夫婦別姓制度への道を頑迷に妨げてきたうえ、夫婦同姓強制と表裏一体の「男系の皇統を守るための皇室典範の改正」を掲げています。「ワークライフバランスを捨てる」と、「滅私奉公」発言をし、過労死遺族の方たちや共働きの人々の反発を浴びました。今後いっそう進む軍事費増大は、社会保障費をますます削り、女性の貧困、無償ケア労働のさらなる過重負担、介護等ケアワーカーの待遇劣化などを招いていきます。高市政権のもとでは、とりわけ女性にとって苦境、困難が増し、実質的なジェンダー平等は後退していくに違いありません。
「金権マッチョ 自民にNO!」はフェミブリッジが掲げてきたプラカードのフレーズの一つです。「マッチョ」とは男性そのものを意味するものではありません。男性優位主義、力ずくで他者を支配する男尊女卑的なあり方を指すものです。高市首相は、まさに「女の顔をした自民党マッチョ政治」の体現者となるでしょう。
私たちはそんな「日本初の女性首相」の政権にはっきりとNO!の声を上げ、連帯の輪を広げ、希望の橋を架け、立ち向かっていきます。
2025年10月22日
市民連合・フェミブリッジ全国事務局
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