2024年通常国会閉会に際して (2024.6.23)
6月23日、国会が閉会しました。「共同親権」の導入に関わる民法等改正、非常事態における国の地方への「指示権」を認めてしまう地方自治法改正、永住許可の取消規定を盛り込んだ入管難民法等改正など、数多くの問題法案が不十分な審議のみで成立してしまいました。
さらに、私たち「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」にとって最大関心事である憲法・安全保障政策分野においても、経済安保分野における「セキュリティクリアランス」制度の導入、自衛隊の「統合作戦司令部」設置、日米の「指揮統制機能」の一体化の推進、次期戦闘機共同開発条約の承認、武器輸出規制の大幅緩和などが、まるで平和憲法が存在しないかのように、そして時には立憲民主党が賛成に回る中で、現実のものとなってしまいました。先日行われた沖縄県議選における玉城デニー知事与党の敗北と相まって、日本や東アジアの平和にとって深刻な懸念が拭えない状況となっています。
「裏金」問題に端を発した政治資金規正法改正をめぐる自民党や維新の会などの迷走の結果、岸田首相が総裁任期中にこぎつけると明言していた憲法改正の発議は行えず、岸田内閣も自民党も支持率が最低レベルで低迷する中での国会閉会ですが、4月の衆議院3補選での勝利を経ても、立憲民主党をはじめとした立憲野党への支持が大きく伸びたわけでもなく、世論が漂流し、いつ何時、より危険な方向に流れ出さないとも限らないのが目下の政党政治の現実なのかもしれません。
この後、東京都知事選や夏休みを挟んで、政局の焦点は9月に予定される自民党総裁選と立憲民主党代表選に移っていくものと思われます。際限のない軍事強化、同盟強化路線を覆す政権交代が視野に入ってくるか、そのための野党共闘の再構築が進むのか、市民社会の側から反戦平和の声をいっそう大きく広げていくことが、今、何よりも求められています。
2024年6月23日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合