2022年臨時国会開会にあたって
立憲野党に要請を行いました 【2022.10】
2022年10月11日と12日、市民連合は、立憲民主党、日本共産党、社会民主党、れいわ新選組に「2022年臨時国会開会にあたっての市民連合要請書」を手交し、要請を行いました (要請書については下記添付をご参照ください。)また、10月26日、沖縄の風に同趣旨の要請を行いました。
1.立憲民主党
10月11日13時から立憲民主党本部で行われました。立憲民主党からは泉健太代表、逢坂誠二代表代行、岡田克也幹事長が、市民連合からは運営委員の中野晃一、長尾詩子、高田健、土井登美江、菱山南帆子、鈴木国夫、山下千尋、事務局から福山真劫、竹内広人、菊地敬嗣が参加しました。
要請書を手交したのち、中野運営委員から「市民連合は立憲主義の回復、命と暮らしを守る政治の実現などをめざして、できるだけ大きな共闘をつくろうと取り組んできた。いま、岸田政権の支持率が下がっており、国民はもう一つの選択肢を求めている。この機を逃がさず、臨時国会から統一自治体選挙までも視野に入れて、取り組みを進める必要がある。立憲民主党中心に立憲野党が民意の受け皿となってほしい。」と要請しました。続いて各運営委員から、統一教会問題や国葬問題の徹底追及、国政選挙での取り組みの報告、国葬反対運動を通じた運動の状況、東アジアの平和をめぐる課題、自公政権と対峙する野党共闘の実現、選択的夫婦別姓制度の実現をはじめとした男女平等実現に向けた取り組みなどについて、報告・要請がされました。
泉代表からは、「この間の国政選挙における仲介役としての市民連合の取り組みに感謝している。要請書の内容については、国会における(泉代表の)代表質問の方向性とも一致している。統一教会の問題にしても根は深く、自民党の調査は不十分だ。しっかり追及していきたい。また、平和の問題についても、ウクライナの議員団などとの野党外交を通じて、実現していけるようにしたいと考えている。今後各地で統一自治体選挙が行われるが、立憲民主党として、多くの皆さんの期待に応えるための礎(いしずえ)となって、各党をつないでいけるような努力をしたい。」と述べました。
また、岡田幹事長からは「国葬問題については、政権側と対話をし、法的問題などをきっちり詰めることが重要と考えて対応した。最初から反対の姿勢では、相手は出てこない。結果として、政権側から十分な説明がなかったので、執行部としては欠席を決めたが、法案の賛否を問う問題ではないので、党としては各議員のそれぞれの判断で、ということになった。わかりにくいかもしれないが、経過や判断などについて、理解してほしい。」との発言がありました。
最後に中野運営委員が「ここで立憲民主党が頑張らないと、より強権的なデマゴーグが出てきかねない状況だ。民意が行き場を失っている中、ぜひ、受け皿を作っていってほしい。」と締めくくり、要請を終了しました。
2.日本共産党
10月11日14時半から衆議院第二議員会館で行われました。日本共産党からは志位和夫委員長、小池晃書記局長、田村智子政策委員長、穀田恵二国会対策委員長が、市民連合からは運営委員の中野晃一、長尾詩子、高田健、土井登美江、菱山南帆子、鈴木国夫、山下千尋、事務局から福山真劫、竹内広人、菊地敬嗣が参加しました。
要請書を手交したのち、中野運営委員から「やっと臨時国会が始まった。国葬問題や統一教会問題など、政権側はかなり追い詰められている状況だ。岸田政権は軍拡路線を進めることによって、あたかもそれが国民の安全を守ることのように言っているが間違いだ。憲法九条を軸とした平和外交こそが戦争を防ぐことができる。日本共産党には、野党共闘の要(かなめ)として、今後の臨時国会での論戦を通じて、立憲野党の力で様々な課題を明らかにしていただくよう期待している。」と要請しました。続いて各運営委員から、選択的夫婦別姓制度の実現をはじめとした男女平等実現に向けた取り組み、ウクライナ危機の解決と東アジアの平和の実現、国葬反対運動を通じた運動の高揚と、統一教会問題や国葬問題の徹底追及、市民運動との連携などについて、報告・要請がされました。
志位和夫委員長は「市民と野党の共闘を進めていただき、私たちを激励していただいていることに感謝したい。いただいた要請内容については、大賛成だ。この間、野党共闘は、みなさんの運動の力に支えられてきている。国葬反対の集会にも、私自身参加させていただき、新しい、市民的、国民的運動が始まりつつあることを感じている。岸田政権もあらゆることで行き詰ってきているが、その中でもさらに危険な動きを加速させようとしている。安保法制の問題はとても大切で、敵基地攻撃能力の保有と集団的自衛権の行使が結びつくのは非常に危険だ。排除の論理ではなく、外交の力で平和な世界をつくっていくべきだ。」と述べました。
また、小池書記局長からは「岸田総理は、意見に耳を傾けると言いながら聞き流すだけだ。立憲民主党とも、統一教会追及の問題で、合意ができている。この状況をいかして、何とか野党共闘を再構築していかなければならないと考えている。」との発言、また、田村政策委員長からは「諸物価が高騰する中で、補正予算の審議は様々な岸田政権の政策の欠点や矛盾を明らかにするための絶好の機会だ。具体的に、『こっちの道があるでしょう』と示しながら、追及を進めていきたい。」との発言、また、穀田国会対策委員長からは、「国会内で野党の共闘を実現し、自公の横暴なやり方について批判をし、対抗していきたい。特に統一教会問題は民主主義を揺るがしかねない根本的な問題ととらえている。徹底的に追及していきたい。」との発言がありました。
最後に中野運営委員が「安倍なき安倍政治が継続する中で、民意が漂流している状況だ。野党の側も、その民意を受け止める受け皿にはまだなり切れていない。臨時国会の論戦を通じて、ぜひもう一つの選択肢を示していってほしい。」と締めくくり、要請を終了しました。
3.社会民主党
10月11日16時半から参議院議員会館で行われました。社会民主党からは福島みずほ党首、大椿ゆうこ副党首、服部良一幹事長が、市民連合からは運営委員の長尾詩子、土井登美江、菱山南帆子、鈴木国夫、山下千尋、事務局から福山真劫、竹内広人、菊地敬嗣が参加しました。
要請書を手交したのち、長尾運営委員から「社民党のみなさんとは、国葬の強行や統一教会問題などの諸課題について、連携して取り組みをさせていただいている。改めて、感謝申し上げたい。私自身も統一教会問題で街宣を行ったが、非常に反応が良い。いまこそ野党の存在感を示して欲しい。」と要請しました。続いて各運営委員から、ウクライナ危機の解決と東アジアの平和の実現、憲法9条を守っていくための諸課題、選択的夫婦別姓制度の実現をはじめとした男女平等実現に向けた取り組み、国葬反対運動を通じた運動の高揚と、統一教会によってジェンダーバッシングが行われてきた問題、国葬問題や、市民運動との連携などについて、報告・要請がされました。
福島党首からは「安全保障3文書が年末には出る。この文書は敵基地攻撃能力を認める、とんでもない基本方針となる可能性がある。いまこそがんばり時だ。また、統一教会については、第二次男女共同基本計画でジェンダーという文言を使用しないよう、自民党に要請していたことも明らかになっており、自民党との深い関係は明らかだ。被害者からの訴えに応えて、解散請求も含め断固たる措置をとっていくべきだ。これらの問題を通じて、岸田政権を追及し、防衛費の増額や、閣議決定を通じてなし崩しに9条改憲を進めようとしている岸田政権にストップをかけていきたい」との発言がありました。
また、大椿副党首からは「大阪の状況を考えると、改めて野党共闘しかないと考えている。大阪では、野党議員が少数しかいない。この状態を次の統一自治体選挙に向けて、打開していく努力をしていきたい。」との発言、また、服部幹事長からは「自民党が敵基地攻撃能力の保有について、閣議決定で行おうとしていることに危機感を持っている。立法措置されないのであれば、一つ一つの予算を丁寧に見て、反論していく必要があるのではないか。このことは国会だけでやれる問題でなく、運動も盛り上げていかねばならない。事実上の憲法改悪を行わせることのないよう、ともに取り組みをすすめていこう。」との発言がありました。
最後に長尾運営委員が「社民党とは問題意識は共有できていると思う。引き続き連携して取り組んでいこう。」と締めくくり、要請を終了しました。
4.れいわ新選組
10月12日11時半から衆議院第二議員会館で行われました。れいわ新選組からは高井崇志幹事長、堤昌也事務局長が、市民連合からは運営委員の高田健、土井登美江、菱山南帆子、鈴木国夫、長尾詩子、藤本泰成、事務局から福山真劫、竹内広人、菊地敬嗣が参加しました。
冒頭、高田運営委員から「9月27日の国葬反対の集会には、れいわ新選組から、櫛渕万里さん、大石あきこさんにご参加いただいた。感謝申し上げる。運動の側も久々にみな頑張らなければといういい雰囲気になっている。そのなかで、臨時国会が始まった。統一教会の問題や、北東アジアの平和の問題など課題は多くある。ぜひ奮闘いただきたい。」と要請しました。続いて各運営委員から、統一教会の問題とその影響の中でジェンダーバッシングが行われてきた問題、軍拡路線に反対する取り組み、東京における野党共闘の取り組み、女性の貧困の問題などについて連携して取り組んでいきたいと、報告・要請がされました。
高井幹事長からは「いただいた要請の12項目はどれもがれいわ新選組の政策と一致している。特に、3(物価高対策、賃上げ政策、貧困対策)と4(新自由主義路線からの転換)は、我々としても特に力を入れているところだ。ぜひ一緒に取り組んでいきたい。臨時国会では、予算委員会・内閣委員会を中心としながら、質疑を通じて政府の姿勢を質していくつもりだ。また、市民連合や総がかり行動実行委員会などの集会についても、積極的に参加していきたい。」との発言がありました。
さらに、れいわ新選組を含めた野党共闘の実現にむけた要請についても、高井幹事長は「町田や杉並、新宿など、成り立ってきている地域もある。」として、今後も努力を続けていく旨の発言がありました。
最後に参加者全員で写真撮影を行い、要請を終了しました。
5.沖縄の風
10月27日9時50分から参議院議員会館で行われました。沖縄の風からは伊波洋一参議院議員、高良鉄美参議院議員が、市民連合からは運営委員の鈴木国夫、事務局から福山真劫、竹内広人が参加しました。
冒頭、鈴木運営委員から「国葬問題や統一教会問題で、岸田政権の支持率は急落し、潮目が変わってきたが、残念ながら、野党に政権を担ってほしいという雰囲気にまでは至っていない。市民連合は野党共闘を進める立場で、この間、立憲野党に要請をしてきた。ぜひ国会でも野党共闘をすすめていただき、政権を担える期待感をつくり出してほしい。」と要請しました。
伊波洋一参議院議員は「沖縄では11月にも日米共同演習が行われる予定だ。台湾有事をめぐって、すでにミサイル配備や日米共同の軍事行動について立案がされている。実際に有事となればアメリカは日本を盾として前線に立たせ、日本が戦場となることは必至だ。このことに対して、沖縄ではリアルに危機感を持っている。これに対して、政府・国会の危機感が薄すぎる。戦争になれば日本が戦場になるのに、これにあまりに鈍感すぎる。軍事の選択肢しかないように語られているが、戦争になったら人命も損なわれ、経済も大ダメージを受けることは必至だ。隣国と力を合わせ必死にあらゆる外交努力を行うことが今必要なのではないか。」と述べました。
さらに、高良鉄美参議院議員からは「石垣島ではシェルターをつくる話になっており、賛成する人、反対する人に分かれている。台湾有事は差し迫った問題だ。沖縄を二度と戦場にしてはならない。このためにも、沖縄だけでなく、日本全体として、中国や台湾、近隣諸国と対話を進めていくべきではないか。アメリカはきちんと中国、ロシアなどと外交をしているが、日本はアメリカの言いなりで、独自の外交ができていない。防衛費五兆円よりも、外交ルートを様々なかたちで確保していくことこそが求められている。」との発言がありました。
事務局の福山から、「沖縄の危機感と本土の側の危機感の格差を感じた。本土の側の平和運動もまだ不十分だ。いまこそ日本の平和運動の力が試されている。」と発言し、最後に鈴木運営委員から、「市民運動がしっかりしなきゃいけないということを改めて感じた。今後も市民と野党の力を結合させながら、取り組みを進めていこう。」と締めくくり、要請を終了しました。
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