地域から

ALLかごしまの会、
参院選振り返り意見交換会を開催(2022.10.2)

「市民・野党共闘をすすめるALLかごしまの会」が10月2日、鹿児島市内で「候補者と振り返る参院選」と題して意見交換会を開いた。7月の参院選で鹿児島県選挙区の野党共闘候補として健闘した柳誠子立憲民主党県連代表や共闘に加わった日本共産党、社会民主党、新社会党の代表と市民ら合わせて約50人が意見を交わした。市民からは「とにかく共闘候補決定が遅かった」をはじめ様々な意見が出された。ALLかごしまとして今後の活動に生かしていく。

鹿児島では16年の参院選以来、国政選挙で共闘を成立させており、今回の参院選では全国の選挙区の最後、6月5日に政策文書に署名して共闘ができた。選挙結果は自民現職の野村哲郎氏が29万票、得票率46%で当選。2位が柳さんで18万5千票、同29%、3位が無所属の西郷隆盛の子孫の妻で9万3千票、4位が参政党公認で4万7千票、5位がNHK党公認で1万5千票だった。

意見交換会では柳さんが自身の総括を述べ、ALLかごしまの山下晶子共同代表が活動経過を報告し問題提起をした後、参加者全員が4つのグループに分かれて50分に渡って議論した。続いて、グループからの報告を受け、4党の代表が感想や意見を述べた。

柳さんはまず謝意を表明したうえで、選挙戦を通じて「地方議会の仲間が必要と痛感した」と強調し、あらためて触れた県民の実情を紹介した。「(選挙運動は)連合中心に団結してやってもらった。地域に基盤がないと選挙にならない」と述べた。

山下共同代表は、今回は従来の共闘と違って候補者が協定の署名に加わらず、政党とALLかごしまだけの署名になったことや、発表記者会見で全党が並ぶ形式にできなかったことなどを指摘し「県民からは形だけの共闘に見えたのではないか」と述べた。「それでも全国で数少ない一本化ができたことはよかった」と語った。

グループで参加者が述べた主な意見は別記の通り。

グループからの報告後、立憲民主党を代表して発言した前衆院議員の川内博史さんは「ALLかごしまがなければ共闘はできなかった。政治の側の努力が足りず期待に応えられずお詫びしたい」「今の政治は暮らしの安定と逆に向かっている。真の共闘をつくらないといけない」と語った。

共産党を代表して元県議の松崎まことさんは「共闘に舵を切って7年になる。今回は共通政策、共闘の姿を県民に見せることができなかった。これでは期待を持って投票してもらうことは難しい」「目に見える共闘をつくって早期解散に追い込もう」と強調した。

社民党県連代表の川路孝さんは「今回不十分さはあったが、共闘ができたのは鹿児島の財産。市民と立憲野党の共闘しかない」と述べ、「これからはALLかごしまが候補者を探したり、候補者を出したりしたらいいのではないか」と提案した。

新社会党県本部委員長の山下徹志さんは3党の意見に賛意を表したうえで「最近は、ある程度の軍事費の増加はやむを得ないとの意見が広がっているが、私たちは丸裸が一番安全と考えている」と強調した。

     (文責・ALLかごしまの会幹事 高谷秀男)

◆参加者の主な意見

*参院選について

・とにかく立ち上がりが遅く、ポスターすら各党に届いていなかった。本気で勝つという気概が見えなかった。最低1年前には候補を決めてほしい。

・自民党は目標の40万票を大幅に下回った。半面、直前に出馬を表明した西郷候補と参政党の候補が合わせて14万票も取った。分析が必要だ。

・共通政策の項目、文章が長い。もっと単純化すべきだ。

・今回は候補一本化にとどまり、共闘とは言えなかったのではないか。

・田舎に住んでいると、共闘の様子が全く見えなかった。

・共闘への期待が年を追って低下している。立憲民主党本部の影響が大きい。鹿児島県連は努力したといえる。

・労組は上からの指導で動いており、共に闘っている感がなかった。

 

*今後の野党共闘・ALLかごしまについて

・ALLかごしまは衆院選挙区や行政単位のようなブロック、地域ごとの組織を作る方針を示すべきだ。

・選挙の時だけ活動しても進まない。日常的な活動が必要だ。

・来春の県議選で1人区や自民独占区、無投票当選区に共闘候補を立てられないか。