2022年臨時国会開会にあたって 【2022.10.3】
ようやく本日、臨時国会が開会となりました。8月18日に立憲野党が憲法53条に則った召集要求を行なってから46日も経過したことになります。安倍晋三元首相の「国葬」、旧統一教会と自民党の関係、物価高、コロナ禍の第7波などについての質疑を求めたものですが、結局岸田政権は、わずか数時間の閉会中審査でごまかしてしまいました。
安倍氏の「国葬」は、世論の反対が大きく広がりつづけるなか9月27日に強行されましたが、今回、第2次安倍政権が始まって以降、憲法に基づいた臨時国会開会要求が長期間放置されたのは5回目となりました。憲法も国会も無視する「安倍政治」が今なお岸田政権下でもつづいていることを示しています。
しかしこの間、憲法違反の「国葬」を国会で審議することもなく閣議決定のみで強行したことや安倍派を中心とした自民党と旧統一教会の関係をまともに調査することなく「自主点検」でお茶を濁そうとしていることから、岸田政権は支持率を大きく下げました。「安倍政治」の美化と永続化を許さない、市民の皆さんと志ある立憲野党やメディア関係者の声がもたらしたひとつの成果だと考えます。特に、「国葬」に反対した国会前や全国無数の行動は、参議院選挙後の市民運動を覆っていた敗北感を跳ね返す力を示しました。
とはいえ、「安倍なき安倍政治」に本当に終止符を打つには、私たち市民連合もさらに大きな広がりをつくりなおす必要があります。また、立憲野党の共闘も強く組み立てなおすことが不可欠です。ポスト安倍政治のビジョンをともに描くための自由闊達な議論も避けて通れません。
臨時国会において岸田政権は、長期化するロシアのウクライナ侵略戦争や台湾をめぐる米中対立の激化に乗じ、敵基地攻撃能力の保持、軍事費の倍増など際限なき軍拡路線を突き進むことを通じて、民心を恐れさせ、野党を分断する「安倍政治」の手法をまたもや繰り返してくることが予期されます。エネルギー危機を口実に原発再稼働ばかりか新設まで画策していることも看過できません。
急激な円安で物価高や景気の鈍化が進み、気候危機が自然災害を頻発させるなか、戦争に巻き込まれる危険を高める軍事化へと突き進むのではなく、いのちと暮らしを守る生活保障を充実させる政治への転換を求める大きな共同のうねりを臨時国会を通じて現実のものとしていきたいと思います。
2022年10月3日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合