山梨県内野党と協定書調印「宮沢ゆかさん必勝に向け全力」/市民連合やまなし・戸田康事務局長 【2022.6.18】
「市民連合やまなし」は6月18日、立憲民主党、共産党、社民党、新社会党、みどり山梨の5党とそれぞれ協定を結び、署名捺印、参議院山梨選挙区・宮沢ゆか候補の必勝に向けて全力をあげることを確認しました。(市民連合やまなし・戸田康事務局長)
市民連合やまなしからの報告
<衆院選の失敗繰り返さない>
市民連合やまなしは2019年に結成され、その年の参院選の野党統一を実現し、15万票を得ましたが惜敗しました。21年10月の衆院選では、9月の市民連合と野党4党の合意を受けて県内での共闘体制の構築に努力しましたが、一区の立憲の現職候補者が共産党との共闘を拒否し続け、最後まで共闘を組めませんでした。二区も立憲、共産の調整ができず共闘できず、一二区とも自民に敗れました。市民連合は「投票にいこう」「政治を変えよう」の運動に終始しました。
この失敗を繰り返してはならないと衆院選後ただちに22年参院選の野党共闘に向けて取り組みを開始し、県内立憲野党の代表を招いての意見交換会を行い、これを受けて立憲、共産、社民の政策協議も2回にわたって行われました。しかし連合の姿勢もあって立憲がこの協議をとりやめたことで困難な状況に入りました。野党への申し入れ、意見交換会の実施を繰り返しました。野党代表は一つになって闘わないと参院選は勝利できないという点では一致するのですが、立憲は常に様子見であいまいな態度を取り続けました。
<野党共闘でなければ>
現職の宮沢ゆか候補は、毎月の19日集会では、常に「野党共闘議員の宮沢です」とあいさつをし、市民の代表としての姿勢もあり、この6年子育てや教育の分野で活躍する姿は評価できます。市民連合やまなし事務局は昨年末に宮沢議員と懇談する中で、①宮沢氏の活動を評価し励ます。②野党共闘で闘う。という2本の柱で参院選にむけて取り組むことを決めました。「野党共闘が出来なければ宮沢氏は支持できない」という声もあり、この方針の難しさが指摘されました。県内各地で市民連合、地域アクション、9条の会、女性団体などが懇談会を開き宮沢氏の政策を聞き、私たちの要求を出し合う会が行われました。ある市では「宮沢氏と語る会」の実行委員会が結成され、立憲、共産、社民、新社会の議員や関係者が結集し70名が集まる実質的な「野党共闘」が生まれました。しかしどの会でも「野党共闘」の実現を要求する意見も多数出されました。
<ブリッジで協定>
困難な状況はつづきましたが、5月9日の市民連合と、立憲、共産、社民、沖縄の風、碧水会の政策合意を受け、市民連合やまなしは立憲、共産、社民と候補者を訪問し「山梨でもこの政策で合意しよう」「山梨でも市民連合と協定を結んでほしい」と申し入れを行いました。共産、社民は前向きにとらえていただき、候補者は積極的に受け入れる姿勢を示しました。しかし立憲とは代表に直接会えず、一向に話はすすみませんでした。私たちは「3年前、6年前のようにすべての野党が連名で署名することをめざすが、諸般の情勢でブリッジで協定を結ぶことも考える」という姿勢も示し、文書や電話等で要望し続けました。もうこのままでは「市民連合は宮沢氏を組織的には支持できない」と
いう方針を事務局で固めつつあった6月6日、立憲小沢代表より「協定を結びたい」という電話があり、12日「市民連合やまなしの提案通りの協定を結びたい、ただしブリッジで結ぶ」という提案があり市民連合も合意しました。6月18日、立憲、共産、社民、新社会、みどり山梨と市民連合は個別に協定を結びました。マスコミは「宮沢氏野党統一候補に」「宮沢氏支援で一本化」「立憲と共産事実上共闘」などと大きく報道しました。
<一歩前進だが課題も>
3年前、6年前の共闘体制はできなかったものの、市民連合やまなしの粘り強い働きかけで何とかブリッジで共闘できたことを歓迎する多くの声が市民連合にも寄せられています。これが実現した背景は、①立憲、共産の中央の協議で山梨での共産擁立見送るという合意の中で、立憲としては何らかの動きをせざるを得なかったのではないか。②2015年からの戦争法廃止をめざす総がかり行動が山梨でも7年越しに続けられ、市民と県内立憲野党の共闘の礎がつくられてきたことではないでしょうか。
選挙戦が始まり、共産党も「宮沢当選に全力をあげる」ことを表明していますが、政党間の協定ではないため、選挙戦での具体的な共闘体制はできていません。「共産党のあいさつも受けないし、一緒に並ぶこともない」と立憲は表明しています。「本気の共闘」になっていないことは否めないのですが、この中で市民連合は何をすべきか悩んでいます。市民連合としての独自宣伝、ポスター貼り、前川喜平さんを招いての市民連合大宣伝、個人演説会の参加など、各地の民主団体や9条の会、革新懇などと連携しながら、勝手連的な運動を幅広く展開する方針です。
【宮沢ゆか参議院議員プロフィール】
1962年11月生まれ。名古屋市立保育短期大学卒業、名古屋市役所に入職、6年間保育士として保育現場の最前線に携わる。1991年甲府市内に「ちびっこはうす」設立。2002年「NPO法人子育て支援センターちびっこはうす」設立 理事。2011年「社会福祉法人こどものあした福祉会」設立 理事長。
2016年参議院議員初当選(山梨県選挙区)。現在 文教科学委員会理事、消費者問題に関する特別委員会委員、立憲民主党文部科学部会長