声明

市民連合ガイドライン「ジェンダー平等をめざして」「ハラスメント防止について」(2022年5月5日)

市民連合は2022年4月28日の拡大運営委員会で「ジェンダー平等をめざして」「ハラスメント防止をめざして」という2つのガイドラインを確認しました。これは、私たち自身のガイドラインです。このガイドラインを受けて、まずは地方選出の拡大運営委員の選出を男女均等としました。

日本国憲法は平和と人権を基本原理として確認しました。「基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」(憲法97条)であり、それは「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」(憲法12条)としています。これを社会的に根づかせていく確固とした条件をどうつくっていくのか、その支持をいかに獲得していくのかが問われています。この2つのガイドラインは、その市民連合の決意です。(2022年5月5日/市民連合事務局)

 市民連合 「ジェンダー平等をめざして」(2022年5月5日)

市民連合では、活動における女性差別の撤廃とジェンダー平等の実現に取り組みます。

意思決定の場におけるジェンダー平等を実現するために、代表者、参加者、発言者のパリテ(男女均等)をめざし、それぞれの運動や会議体において具体的な原則や計画の合意形成を進めます。公開の活動においても同様にパリテ原則を心がけます。

無償のボランティア参加による市民運動では、時間、仕事、家事負担などの制約から女性や若者などがそもそも参加しにくい面があるのは事実ですが、だからこそ、できるだけ多様で開かれた運動をつくらないことには、参加者がかたより、次第に仲間内でしか通じない言葉や発想に閉ざされ、運動そのものが先細りしていってしまいます。

もちろん、女性だから、若者だから、と言って、参加や発言を無理強いして過剰な負担を加えることがないよう気をつけなくてはなりませんが、会議や活動の時間や形態など、できるだけ多様な参加が可能なように調整しましょう。

また、普段から活動を中心で担っている中高年男性は、ジェンダーバランスを踏まえ、自ら手を挙げたり発言したりする前に一呼吸おいて、他の方の参加、経験、発言の機会を結果的に奪ってしまっていないか、気をつけるようにしましょう。

運動の内外に構造的なジェンダー・バイアスがあることを認識した上で、お互いをリスペクトしあい、運動を活性化し、持続可能なものにしていきたいと、私たちは考えます。  以上

市民連合 「ハラスメント防止について」(2022年5月5日)

市民連合では活動においてハラスメントが発生することのないよう取り組みます。

ハラスメントとは相手より優越した立場にあることを利用して、嫌がることを強要したり、個人の尊厳を傷つけたりして、身体的・精神的な苦痛、恐怖、屈辱感を与える行為です。

相手を対等な関係にあるとは思わず、見下したり、貶めたり、または支配したいという(無意識な)思いがハラスメント言動をもたらします。たとえ自分の社会的地位や経験が相手よりも上回っていたとしても、相手の人格を否定せず、行為主体性(自分で決定を下す能力)を尊重しましょう。

相手が女性の場合、市民運動に携わる一人の市民として扱うのではなく、女性として扱い、女性役割を強要することもハラスメントにあたります。その女性が市民やアクティビストとしてではなく、女性として見ることは、市民やアクティビストとしての人格を否定することを意味します。

ハラスメントを受けた側は、上下関係があるために嫌とは言えなかったり、笑ってやり過ごしたりする場合があります。明確な拒否反応がなかったからといって、相手に受け入れてもらっていると誤解しないようにする必要があります。なかには自分に好意を持っていると勘違いする男性も少なくありません。

ハラスメントは、リベラルな運動においても発生します。特に権力と闘っているという意識のある男性は、自分自身は女性やマイノリティに対して権力を持っているという自覚に欠ける傾向があります。社会的意義のある活動をしているからといって、ハラスメントをしていいわけではありません。女性に慰めてもらおうという依存心もハラスメントにつながります。

ハラスメントは起きる場所や関係性、特性によって異なる言い方がなされています。性的言動はセクシュアル・ハラスメント(セクハラ)、上下関係を利用した非性的言動はパワー・ハラスメント、ジェンダー規範(男らしさ・女らしさ)の押し付けはジェンダー・ハラスメント、L G B T Q+に対してはS O G Iハラスメント、有権者から候補者への場合は票ハラスメント、などです。

自らの言動がハラスメントに該当しないか十分注意を払い、ハラスメントを行わないよう努めることが重要です。また、ハラスメント行為が見受けられる場合には、市民連合関係者は、傍観者とならず第三者として介入し、加害者に注意を促し、被害者に苦情相談などについて適切に助言するよう努める必要があります。ハラスメントは活動する場の外でも起きる可能性があり、それなのに活動外で起きたことだからと放置されてしまうと、誰もが安心して参加できる活動はつくれません。ハラスメントに関する問題を当事者間の問題として片付けず、また被害者の方が責められて二次被害を受けたり、ハラスメントをきっかけに活動に参加しづらくなったりすることなどがないよう留意しましょう。ハラスメントを受けたと感じたら、信頼できる人や外部の専門家に相談し、支援を受けてください。市民連合はハラスメントを許容しません。

具体的なハラスメントの事例等については、職場と市民運動の違いはありますが、厚生労働省のサイトをご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

以上

市民連合「ジェンダー平等をめざして」(2022年5月5日)

市民連合「ハラスメント防止について」2022年5月5日