コラム

複数区でも“一人区”と同じ 兵庫、大阪で野党議席奪還するには府県境越えた連携で「一本化」/松本 誠(連帯兵庫みなせん 代表世話人兼事務局長)

参院選まで3カ月を切っても、立憲野党の候補者調整が遅々としている。今夏の参院選の焦点は、9条改悪をはじめとした平和憲法を“骨抜き”にする「改憲」を発議させないためにも、参院で改憲派に「3分の2」を占めさせないことにある。改憲派との際どい議席差の中で、この目標を達成するためには1議席でも多く、可能性のある選挙区では野党連携で着実に議席を確保することである。

松本誠(連帯兵庫みなせん 代表世話人兼事務局長)

過去2回の参院選で大きな原動力になった「一人区」での確実な「野党候補一本化」が厳しい情勢下では、複数選挙区でも可能性のある府県では候補者を調整して一本化を図ることが最優先課題である。

兵庫県(改選数3)は、過去2回とも野党は複数候補を譲らず「共倒れ」して自・公と維新に選挙区議席を独占されている。維新が強い隣の大阪府も同様に、過去2回とも野党は共倒れし、維新2,自公各1と改憲勢力に独占され、両府県で14ある選挙区議席で野党はゼロになっている。

次期参院選で三度「共倒れ」は許されない。前回も前々回も両府県では、得票結果から見れば野党が候補を一本化していれば、優に当選できていた。こうした現実に目を向けず、候補者を擁立する野党は「比例票獲得のためには選挙区候補者を欠かせない」という。市民と野党の共闘にこの6年間、野党共闘の“接着剤”として取り組んできた私たちは、「着実な議席の確保」が何より最優先されるべきだと考えるが、政党の論理は「複数区は切磋琢磨して‥」と“党勢拡大”を優先する。そのために、優に議席を確保できる選挙区で、みすみすそのチャンスを失ってきた。

次期参院選では、兵庫県の「市民と野党の共闘」を担ってきた連帯兵庫みなせんは、大阪府の市民連合各グループと連携して「野党は府県境を越えて連携し、棲み分けによる候補者調整によりそれぞれの選挙区での候補者一本化を図る」ように、野党各党に求めることに踏み切りました。例えば、両選挙区の得票実績から、兵庫では立憲、大阪では共産というように野党間で棲み分けを諮り、その協力体制を来春の統一地方選での棲み分けも考慮しながら、政党間の共闘体制を一層強固なものにしていく。

こうした方法で両選挙区で野党議席を確保すれば、野党議席は2議席増えるとともに、改憲勢力の議席を2議席減らすことができる。与野党の議席差を4つ縮めることは、限りなく大きな意義を持つ。参院における「3分の2」をめぐる際どい議席差を考えれば、かけがえのない選挙方針ではないか。

市民連合の方針でも「一人区」の完全な野党候補の調整を求めるとともに、複数区では「連携することにより勝てる選挙区では可能な範囲で一本化」を図るように求めている。3月26日に開かれた全国市民意見交換会」では、まとめの中で「複数区では政党にとっては比例代表のこともあるが…」と政党側の主張に配慮した表現があったのにはいささか残念だが、兵庫と大阪のように「一本化すれば明らかに議席確保が可能」な選挙区では、大胆に取り組むべきではないか。

兵庫県では4月10日に参院選へ向けた「討論集会」を開催するが、これには大阪の市民連合各団体からも参加し、両府県の「市民と野党の共闘」市民団体が「共同アピール」を採択して発信する予定だ。

府県境を越えた連携は、政党の地方組織間では実現が難しい。政党の中央が大局的な判断から英断を下し、党の方針として政党間協議のテーブルに載せることが不可欠である。

ウクライナ危機が深刻さを増す中では、平和憲法を維持し、戦争を止めさせる役割をこの国が果たすためにも、この参院選は重要である。野党各党の英断を求めたい。