コラム

参議院選、地域からボトムアップandヨリマシ選択
/鈴木国夫(市民と野党をつなぐ会@東京共同代表)【2022.3】

1. 参議院選挙40議席以上確保のためには共闘が不可欠です

(1)味方陣営を広く

立憲野党が、次期参議院で三分の一以上を確保するためには、改選41に対して40議席以上を取らねばなりません(一部無所属を含む)。各党の議席数は選挙で変わりますが、現有議席数合計は、国民民主も含めたとしてこの数値です。また、立憲、国民民主の全国比例の現有議席の多くは、連合傘下組合の組織内候補者です。他の問題で色々あっても自民党改憲案反対の一致点で、幅広い共同が求められる情勢です。野党共闘つぶしが企図される中、市民が難しいけれどヨリマシな選択と働きをしなければ、改憲勢力の自然増を許してしまいます。

(2)争点はくらし経済と平和

政党は、多少曇りはあっても世論の鏡と考えられます。今度の参議院選では、くらし経済、戦争と平和の憲法問題で、立憲野党が踏ん張れ、支持されるような世論状況を作り出すことが重要となります。中間層への働き掛けこそが市民運動が注力すべき仕事であり、それが結果として立憲野党全体の支持率向上に寄与すると考えられます。

2. 候補者の統一と共闘は必須条件です

立憲野党は、32の一人区で候補者の一本化をすることが必要です。また、二人区、三人区でも一本化しなければ維新の後塵を拝する可能性が少なからずあります。与党に三分の二の黄金期間を与えないという大局に立ち、ぜひ各党中央において、話し合いと調整をお願いするものです。

参議院の現有議席数()カッコ内は1人区
【計算】参議院定数248の三分の一は83。非改選の立憲野党43を引くと獲得必要議席は40。
【9条改憲に反対と見なされる無所属議員】      (非改選):寺田静、安達澄、須藤元気。   (改選):小川敏夫副議長(東京選挙区)

3. ボトムアップで地域から候補者の統一を

しかしながら、昨年衆議院選のように一本化候補者の決定が公示直前となる「中央待ち」では間に合いません。そこで、各地域において市民組織、労働団体、各党地域組織等の話し合いによるボトムアップで、候補者の一本化を進めることが、取り得る方針と考えられます。各地域で政策を協議し、候補者の一本化を図るという民主主義力が求められる作業です。各党バランスの配慮については、地方選や衆議院選も視野に入れて話し合われるものと存じます。首長選挙などの経験も活かし、早期に一本化候補を決め、活動を開始する地域もあると思われます。そのようにして地域から上がってきた統一・勝利の願いを、各党中央は尊重していただけますようお願い申し上げます。