コラム

憲法カフェのススメ☆
『明日の自由を守る若手弁護士の会』

私たち『明日の自由を守る若手弁護士の会』(略称:あすわか)は、北海道から沖縄まで約670人の弁護士が集う法律家団体です。人権、立憲主義や民主主義といった憲法の基本的な理念や内容について、一人でも多くの人に知ってもらえるよう、さまざまなコンテンツを制作・販売・発信しています。当会の活動のベクトルは、すでに問題意識を共有している方々の知識を深める方向というよりは、まだ憲法に触れたことの無い方々への方向に向けています。その活動の柱は『憲法カフェ』です。学習会や講演、といってしまうと、あまり興味の無い方や憲法に「敷居の高さ」を感じる方の足が遠のくので、あえて「憲法カフェ」と呼んでいます。もちろん呼称を変えているだけでなく、お茶を飲みながら、お菓子をつまみながらのリラックスしたおしゃべりとして憲法の話を聞いていただける場になるよう、努めています。これまでも、喫茶店や居酒屋、お寺や教会など、大小さまざまな場所でワイワイと楽しい雰囲気で開催してまいりました。当初は実施回数を数えていましたが、全国の会員がそれぞれの場所で活躍するにつれてカウントできなくなってしまい(笑)、もはや正確な実施回数は分からずじまいですが、数千回は超えています。(アイキャッチ写真/「憲法カフェ@パンゲア」by小谷弁護士)

テーマはご依頼主さまによって千差万別で、日本国憲法とは?という基本のキについてお話することもあれば、「ジェンダーや性差別について」「自民党の改憲4項目とは?」「こどもの人権」など、特定のテーマを掘り下げることもあります。

昨年11月、自民党総裁直属の「憲法改正推進本部」は「憲法改正実現本部」と名前を変え、全国遊説や集会の計画も進みはじめました。その上、岸田首相は「敵基地攻撃能力」の保有の検討にも積極的で、明文改憲のみならず、実質的な憲法9条のなし崩し的な死文化も、いまだかつてない危機にあります。

そんな今、「危機は感じているけれどもイマイチ正確な知識がなくて周りにどう伝えたらいいのか分からない」という悩みをお持ちの方々には、憲法カフェの開催や憲法カフェへの参加をオススメします(*)。仲良しの方々と一緒に、ざっくばらんに憲法の話を聞いて頂いた上で、感想を語ったり率直な疑問を講師に投げてもらうことで、憲法への理解はぐんと深まり、ではその問題意識をどう広く発信しようか、というアクションについての意見交換もしやすくなります。当会では憲法ビンゴや憲法かるた、憲法ボードゲームなども制作・販売しているので、それを使って遊びながら憲法の理念を伝える、親子で楽しめる憲法カフェも開催してきました。

古民家で弘川弁護士の「憲法カフェ」

残念なことですが、普通教育の過程で人権や憲法を学ぶ機会はほとんどありません。憲法カフェでは「憲法の話がこんなに楽しいものだとは知らなかった」「自分の暮らしと憲法のつながりの強さ・深さを初めて知った」「自分と同じ思いの人たちとつながることができてうれしかった」というありがたいご感想をたくさん頂いています。

すでに憲法に親しみを感じておられる方にとっても、正しい基本の知識を整理や、頭の隅っこでずっとひっかかっている疑問などは解消しておきたいものです。開催のご依頼、お待ち申し上げます!

また、あすわかは『憲法カフェへようこそ』という書籍をシリーズ①~③まで出版しています。シリーズ1冊目では、憲法とはなにか?をクイズ形式で問いながら、出版当時最も話題になっていた特定秘密保護法や安保法制など、憲法の価値を根本から否定する法律の数々について、その問題点を分かりやすく解説しました。シリーズ2冊目は9条(平和主義)に焦点をしぼり、自民党が提案している『自衛隊を憲法に書き加える』という改憲案の危険性について解説するとともに、元防衛官僚にして安全保障のエキスパートである柳澤協二さんが、『抑止力とはなにか』から在日米軍や中国、北朝鮮との向き合い方など、安全保障を考える際のイロハを執筆されています。シリーズ第3弾はジェンダー・性差別がテーマです。日本に根強く残る性差別的な問題の数々、そして自民党の24条改憲の危険性、戦争放棄を実現する上で24条は9条と不可分の関係にあることなど、最先端の話題が満載です。元文部科学事務次官の前川喜平さんが、第一次・第二次安倍政権の下で、教育現場で描かれる『家族』像が変わり、“あるべき家族”像の押しつけや「個人の尊重」の理念(憲法13条)の排除が顕著になっている現状について寄稿してくださっています。

「憲法カフェへようこそ」(改訂版/2019年/かもがわ出版、1,200円)

「だれもが自分らしく自由に生きていいんだ」と背中を押し、自分を守ってくれる優しく強い憲法の存在を知る喜び、それを語り合う喜び。いずれも表現の自由、学問の自由、集会の自由が保障されているからこそですよね!それを実感したら、次は、自分が憲法を「破壊」から守る番です。是非、憲法カフェを通じて、一緒に“主権者力”を高めませんか?

(*)憲法カフェの開催に関するご質問は、あすわか事務局(peaceloving.lawyer@gmail.com)までお寄せください。ご依頼方法や講師料については、当会ホームページ(https://www.asuno-jiyuu.com/)に掲載しております。