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【コラム@ひろば】総選挙の結果と「2022年2月組織改編」について /「市民連合ふくおか」事務局長 片山純子 【2022.2】

▲片山純子(市民連合ふくおか事務局長)

福岡県内には小選挙区が11ある。2012年・2014年・2017年の総選挙では、3回続けて自民党が11議席を独占したが、2021年総選挙では、福岡5区・9区・10区の3選挙区において、自民党ベテラン議員が落選した。その3選挙区中2つは「野党統一候補」が勝利した。自民党議員の落選は、福岡5区で総選挙直前まで現職・新人候補が公認争いを行うなど、自民党の奢り・敵失による点もある。しかし、共産党が候補者を降ろし、選挙区内で共産・社民などの立憲野党が市民とともに「野党統一候補を当選させるぞ」と努力したことがあっての成果であり、福岡県では「野党共闘」は功を奏したといえる。

ただし、総選挙の結果は、自民・公明・維新の改憲勢力議席が約7割を占め、なかでも維新が41議席と躍進し、数ヶ月後に迫る参院選では「改憲阻止」が大きな課題になった。維新は、自民党以上に、新自由主義的政策を掲げる政党で、労働市場など市場の規制を緩和し、コモン(共有資産)を官から民へと変更し、自己責任社会を拡大させている。維新が拠点とする大阪府と同じく経済活動の盛んな福岡県は、維新的土壌が強い地域であろう。2021年総選挙において、維新は福岡県内比例票の約11%、23.8万票を獲得するとともに、九州ブロックで2人当選、その2人の維新議員は福岡1区・4区に所属している。2022年参院選では、維新票を抑制できるかどうかも問われている。

こうしたことをうけ、市民連合ふくおかは、総選挙後に準備に取りかかり、この2月の総会で組織改編を実施することを決定した。

市民連合ふくおかが結成された2016年3月当時は、福岡県内には市民連合的組織は存在しなかったため、県内全域を対象にして活動を始めた。しかし、福岡県は有権者数が約420万人、九州・沖縄ブロック有権者数の35%を占める大票田である。政令都市が2つあり、福岡都市圏・北九州都市圏と気質が異なる。かつての産炭地を中心とする筑豊・筑後、さらには内陸部の朝倉地方など、政治意識・風土において地域差が大きい。このため、市民連合ふくおかの活動実態は、福岡都市圏中心になっていた。2021年総選挙に向けては、小選挙区毎の市民連合的組織の結成を課題に設定し、2年ほどかけて地域の市民運動・市民団体などに声かけを行った。その結果、福岡3区と11区を除く9つの選挙区で市民連合的組織が名乗りをあげた。2021年総選挙は、こうした状況下で戦った。「市民と野党の共闘」において、地域における温度差はまだまだ大きいが、一定程度、「野党共闘で勝利してほしい」という市民の思いを可視化することができたのではと思っている。

今回の組織改編は、県内各地の市民連合的組織のネットワーク(横の連絡体)づくりが中心となる。地域に根ざした活動については、選挙区毎の組織中心に行い、市民連合ふくおかは、主に立憲野党県組織との話し合いや県内組織全体の底上げを担っていくことになる。参院選に向けて、さらにその先の革新・リベラル勢力の拡大に向けて、市民連合ふくおかは第一歩を踏み出す。みんなで頑張りたいと思う。