衆院選2021
菅義偉首相の退陣に関する市民連合の声明
9月3日、菅義偉首相は自民党総裁選挙に出馬しないことを表明し、首相就任以後わずか1年で退陣することとなった。菅氏の政治手法の特徴は、日本学術会議会員の任命拒否から始まって、人事権を振りかざして敵対するものを屈服させる点にあった。政府与党内部ではその手法により支配を貫徹することができても、新型コロナウイルスをはじめとする課題の解決には全く役立たないばかりか、科学的知見の無視、多様な意見との対話の拒否という独善的な政治姿勢は、オリンピックの強行開催など問題を悪化させるばかりであった。統治能力を失い、国民の不信を集めている菅首相が退陣するのは当然である。
自民党は総裁選挙で菅政権の失敗を洗い流し、政党イメージのロンダリングを図るのであろう。しかし、今や自民党は根腐れした状態であり、だれがリーダーになってもその木に実がなることはない。有権者の審判を得る衆議院選挙を間近に控えて、安倍晋三、菅義偉の過去9年間の政権が犯した憲法無視、権力の私物化、虚偽と情報の隠ぺいを総括することなしに新政策を競うかのごとく演出するのは、国民を欺く破廉恥な所業である。
市民連合は、立憲野党の政策合意に基づき、来る衆議院選挙において、民主主義を愛する市民とともに、市民と野党の総力を結集して政権交代を実現するために、引き続き全力を尽くしたい。
2021年9月4日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合