声明

通常国会閉会に当たっての声明

2021・06・16 通常国会閉会に当たっての声明

 

第204回通常国会は6月16日に閉会した。国会開会中の5か月間、新型コロナウイルス感染は著しく増加し、政府の対応は後手に回った。感染者が病院で適切な治療を受けられない医療崩壊がいくつかの地域で発生し、助けられたはずの命が多数失われた。そして、長期の休業を余儀なくされた事業者の窮状は、限界を超えようとしている。またコロナ下で貧困・格差が深刻化し、多くの市民が生活困難に陥っている。一連の事態は、菅義偉政権の国民の生命、生活に対する冷淡さと政策に関する無能さを明らかにしている。

この国会では、多くの悪法、中でも土地規制法という違憲の疑いの強い法律が強行採決によって成立した一方で、政治と金をめぐる不祥事や菅首相の長男が関連した総務省に対する違法接待など権力の私物化の実態については明らかにされなかった。権力者の傲りはとどまるところを知らない。

しかし、菅首相はそれを恥じることなく、感染拡大をもたらす危険を冒して、東京オリンピック、パラリンピックの開催を強行しようとしている。今や、菅政権こそが国民にとっての最大の脅威であり、生命と生活を守るためには秋までに行われる衆議院総選挙において菅政権を断罪し、政権交代を成し遂げることが不可欠であると痛感する。

6月15日、立憲民主党、日本共産党、国民民主党、社民党の4党は内閣不信任案を提出したが、残念ながら否決をされた。しかし4党で提出したこと、また立憲民主党の枝野代表が「趣旨弁明演説」の中で、「税率5%への時限的な消費税減税をめざします」と提起したことは、「れいわ新選組」も含めて、5党2会派での菅政権打倒のための野党共闘形成への道を切り開くものとして評価したい。

市民連合は引き続き、総選挙における野党協力、小選挙区における候補者一本化、危機を打開するための政権構想の策定に向けて市民とともに野党各党に働きかけていきたい。

 

2021年6月17日

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合