衆参補欠・再選挙2021

補選に向けて立憲野党5党2会派に申し入れ

市民連合は4月6日から7日にかけて、4月25日に投開票を迎える衆議院北海道2区、参議院長野県選挙区、参議院広島県選挙区の補選に向けて野党共闘を進めるために申し入れを行い、意見交換を行いました。

立憲民主党

立憲民主党からは、枝野代表、福山幹事長が対応し、市民連合は山口二郎さん(法政大学教授)、高田健さん(総がかり行動実行委員会)、菱山南帆子さん(総がかり行動実行委員会)、鈴木国夫さん(市民と野党をつなぐ会@東京)、中野晃一さん(上智大学教授)、小田川義和さん(憲法共同センター)、藤本泰成さん(平和フォーラム)、福山真劫さん(事務局)が参加しました。

市民連合として、「3つの選挙に勝って政権交代につなげたい。立憲民主党が野党第一党としての政権獲得ビジョンを」(山口さん)、「国会の外で行動を重ねたが、国会そのものを変えないといけないという思いで市民連合を結成した。立憲民主党が先頭に立ち、政権交代を呼びかけてほしい」(高田さん)、「東京での5野党参加のオンライン集会は成功。中央でも5野党の共闘を」(鈴木さん)、「女性がコロナで厳しい状況に置かれている。命とくらしが政治にダイレクトに結びついている」(菱山さん)と要請し、市民連合としても広島、長野、北海道での選挙の勝利に向けて力を尽くす決意を伝えました。

枝野代表は「要請内容は私たちも同じ思い。政策にも同意する。実現には政権交代しかない。3つの選挙とも総力で勝ちに行く」と述べ、福山幹事長からも「相手は政治とカネで失策を重ねている。選挙にさまざまな人に関わってもらい、ヨコのつながりを広める。市民連合のみなさんにもご協力をお願いしたい」と決意が語られました。

市民連合から、中野さんが「民主党時代から政官業の癒着の問題を追及していただいており、これはすべての野党が一致できる課題。菅政権の責任や構造的な問題を問い、有権者に訴えてほしい」と要請し、枝野代表は「政官業癒着の問題について有権者にどう訴えるか、知恵を絞る。去年から有権者が訴えに耳を傾けるようになっている」と応えました。

山口さんから「人間の尊厳を守る闘いとして来たる総選挙に備えましょう」と呼びかけ、要請を締めくくりました。

日本共産党

日本共産党からは、志位委員長、小池書記長、高橋衆議院議員、穀田衆議院議員、紙参議院議員が出席しました。市民連合は山口二郎さん(法政大学教授)、高田健さん(総がかり行動実行委員会)、菱山南帆子さん(総がかり行動実行委員会)、鈴木国夫さん(市民と野党をつなぐ会@東京)、中野晃一さん(上智大学教授)、小田川義和さん(憲法共同センター)、藤本泰成さん(平和フォーラム)、福山真劫さん(事務局)が参加しました。

まず、市民連合から山口さんが「この間の選挙で候補の一本化に向けてご尽力をいただいた。野党がまとまれば勝てる、野党が勝てば日本が変わる、ということを示したい」とあいさつしました。菱山さんは「コロナ禍での食料提供に集まった人たちは、とにかく食べ物とお金がない。野党共闘で命とくらしを守る政治を実現したい」と訴えました。鈴木さんは「5野党のオンラインの集会を開催し、好評だった。共闘に向けた地域での活動をこれからも進める」と報告しました。

志位委員長は、「市民連合の申し入れに全面的に賛同する。市民の力なしには野党共闘はあり得ない。このたびの補選で勝利し、総選挙に向けた成功体験を積み重ねたい」と応えました。

続いて、市民連合からは「初めての試みとして、総がかり行動として3つの選挙の勝利に向けたアピールを出した」(小田川さん)、「仕事がなく、給与も上がらず、不安しかない社会の現実を私たちも訴えていく」(藤本さん)と発言しました。志位委員長からは、「コロナ禍にあたっての十分な補償やケア労働の待遇改善など、地に足をつけた政策を進める」という決意をいただきました。

山口さんが「与党は野党共闘を恐れている。総選挙勝利に向け、共産党のいっそうの活躍と尽力をお願いします」と述べ、要請行動を終えました。

碧水会

 参院会派「碧水会」(嘉田由紀子参議院議員(滋賀)、永江孝子参議院議員(愛媛))から嘉田由紀子参議院議員、市民連合からは運営委員の高田健(総がかり行動実行委員会)、鈴木国男(市民と野党をつなぐ会@東京)、福山真劫(事務局)が参加しました。

 高田さんが6項目の申し入れについて説明しました。そして「4月の北海道、長野、広島の補選はすでに立憲野党の候補者も確定し、各地域の市民連合も行動を始めている。補選勝利で菅政権を追い詰めたい。野党共闘前進のために頑張りましょう」と要望しました。

 次に鈴木さんが「3月20日に行った東京でのオンライン集会は、立憲野党5党が参加し、野党共闘が実現可能であるということを、視聴者に示した。地域での活動を積み上げ、ボトムアップで候補統一を強く進めていきたい」と述べました。

嘉田参議院議員から、「要請されている政策内容には同意する。菅自公政権の失政が、この3補選を作り出した。この敵失の機会を活かし、野党が統一して闘い必ず勝利し、総選挙に向かっていかないとならない。草の根からの熱い活動で、共闘して選挙に勝利していきましょう」という発言があり、意見交換は終了しました。


沖縄の風

 沖縄の風から伊波洋一、高良鉄美の両参議院議員、市民連合からは運営委員の高田健(総がかり行動実行委員会)、鈴木国男(市民と野党をつなぐ会@東京)、福山真劫(事務局)が参加しました。

 まず高田さんが6項目の申し入れについて説明しました。次に鈴木さんが「立憲民主党、共産党、国民民主党、社民党、れいわ新選組などの野党共闘の実現は全国では簡単ではないようだが、東京での3月20日のオンライン集会など地域において、そろい踏みをし、実現の可能性を示している。地域からのボトムアップが重要」と発言しました。

 伊波参議院議員から、「菅政権が失政を続け、市民のいら立ちが強まっている。沖縄では保守が強い宮古島で、保守の分裂もあり、オール宮古が市長選に勝利した。総選挙に向けてはずみがついている」と発言しました。

最後に高良参議院議員が「この申入れは、立憲主義が土台になって、現政権の問題点と対決する内容になっており、私たちも完全に同意する。補選から総選挙に向けて、共闘して頑張っていきましょう」と述べ、意見交換を終了しました。

 

社会民主党

社民党からは福島党首、中島常任幹事が出席しました。市民連合からは、高田健さん(総がかり行動実行委員会)、鈴木国夫さん(市民と野党をつなぐ会@東京)、藤本泰成さん(平和フォーラム)、福山真劫さん(事務局)が参加しました。

市民連合から、高田さんが「3つの補欠選挙にあたって野党の候補が決まり、活動を開始している。何としても勝利し、菅政権を倒す第一歩としたい」と伝えました。福島党首は、「市民連合のみなさんの要請に全面的に賛同。社民党としてもそれぞれの候補を推薦し、地域の仲間たちを先頭にがんばっている」と応えました。

また、「5月3日の憲法集会で政治を変えてくらしを守ろうと訴える。総選挙に向けたスタートとするためにも、補選に必ず勝ちたい」(藤本さん)、「権力の私物化に対して、野党の力で与党を追い詰めてほしい」(福山さん)と訴えました。福島党首は「格差や貧困が拡大する中で、菅政権には公平と配分の政策がない。子ども庁についても、ジェンダーの視点が欠けている。今回の補選や総選挙を通じてどういう未来をつくるかを示し、政権交代につなげる」と決意を示しました。

高田さんが、「社民党が野党共闘でがんばろうと訴えてほしい」と述べ、要請行動を締めくくりました。

 

 

れいわ新選組

 れいわ新選組から舩後靖彦参議院議員政策秘書の岡田哲扶さんが、市民連合からは運営委員の高田健(総がかり行動実行委員会)、藤本泰成(平和フォーラム)、鈴木国男(市民と野党をつなぐ会@東京)、福山真劫(事務局)が参加しました。

 まず高田さんが6項目の申し入れについて説明しました。次に鈴木さんが「立憲民主党、共産党、国民民主党、社民党、れいわ新選組などがそろい踏みした、東京での3月20日のオンライン集会は野党共闘実現の可能性を示している。地域からのボトムアップが重要」と発言し、またれいわ新選組の参加に謝意を示しました。

 岡田さんは「山本太郎代表に、この申し入れ書を渡して、しっかり検討しますと述べ、終了しました。

 

国民民主党

国民民主党からは岸本周平幹事長代理が対応し、市民連合は山口二郎さん(法政大学教授)、福山真劫さん(事務局)が参加しました。

市民連合から、山口さんが「憲法の擁護、医療体制の充実、エネルギー政策の転換、税制改革などの6項目の政策要請と3補欠選挙で野党共通で勝利し、政権交代につなげるよう奮闘してほしい」と要請しました。

岸本幹事長代理は、「国民民主党は、いろいろと経過はあったが、昨日役員会で3選挙区の候補者の推薦を決めた。市民連合の6項目の政策には全面的に合意し、3候補者の勝利めざして、野党と共闘し、全力で取り組む」と決意が語られました。

 


2021年4月6日

 

立憲野党

補欠選挙勝利めざしての市民連合の申し入れ

 

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

 

 新型コロナウイルスの感染者は減少しつつありますが、自宅療養という名で放置された患者が多数亡くなり、医療体制の整備は不十分といわざるを得ません。また、ワクチン確保は見通しが立たず、国民への接種の体制も整っていません。さらに、コロナ禍の中で仕事を失い、生活に困窮する人々への救済も行き届いていません。統治能力を失った菅義偉政権が国民の生命、健康、生活に与えた痛みはあまりにも大きすぎます。

 加えて、国民の常識から乖離した政治家による収賄や選挙違反が相次いで露呈し、今の与党の政治家には危機において国民の命を預かる資格がないと言わざるを得ません。

 次の衆議院総選挙において政権交代を実現することは、政治に常識を取り戻し、国民の生命、生活を救うためにどうしても必要です。4月25日に予定される衆参の補欠選挙は政権交代のための第一歩となる重要な選挙です。この選挙で立憲野党には候補者の一本化により政治転換のための選択肢を示すことが求められます。市民連合は以下の共通政策を掲げて、松木けんこう(衆議院北海道第2区) 羽田次郎(参議院長野県選挙区) 宮口はるこ(参議院広島県選挙区)三候補の当選を実現するために、立憲野党と市民が共に戦うことを強く求めます。

 

1 憲法の擁護

  • 「安保法制」、共謀罪など違憲の疑いの強い法律を廃止する。
  • 平和憲法を尊重する。
  • 地元合意のない沖縄辺野古での新基地建設は中止する。

2 新型コロナウイルス克服のための医療体制の強化

  • エッセンシャルワーカーの待遇改善をはじめとする医療体制の拡充、強化のために財政支出を惜しまない。
  • PCR検査を拡大するとともに、感染した人の治療を受ける権利を保障する。
  • 医療のリストラという従来の政策を転換し、人間の命を最優先する医療体制の整備を図る。

3 仕事と暮らしを守るための支援策の拡充

  • コロナ禍によって仕事を失ったり、収入が減少したりした人々に対して、所得補償、家賃補助など安心できる支援策を提供する。
  • 営業時間短縮等に協力した事業者に十分な補償を行う。

4 エネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行

  • 一極集中を是正するために、地方でも働けるように交通インフラ、情報インフラ、住宅など生活の基盤を整備する。
  • 地元合意のない原発再稼働に反対するとともに、再生可能エネルギーの拡充により、地域における新たな産業を育てながら、原発のない脱炭素社会を作り出す。

5 差別を許さない自由で公平な社会の実現

  • ジェンダー、人種、年齢などによる差別を許さないためのルールを確立する。
  • 次の世代を産み育てる社会的条件を整えるため、雇用ルール、介護、保育、教育、医療などケア労働の体制等を拡充する。

6 責任ある政府のもとで支えあうための税制改革

  • 消費税負担の軽減を含めた、所得、資産、法人、消費の各分野における総合的な税制の公平化を実現する。

以 上

市民連合3補選共通政策