地域から

候補者発表は選挙直前と割り切る。地域は4パターンで対応

1.東京の地政学的役割

東京の当会の地政学的な役割は二つと思います。①政党中央とコンタクトして、情報を把握・分析して発信する。②対応方針を考え、粘り強く政党中央に働き掛ける。「市民と野党をつなぐ会@東京」は、安保法制を機に、東京の25小選挙区に生まれた草の根市民組織の連絡会として、2016年秋から活動しています。

2.候補者発表は、選挙直前と割り切る

衆議院選の統一候補者を早期に発表するよう、かなりしつこく折衝してきましたが、それができない政党側の事情も分かり、下記の判断に至りました。

1. 候補者調整がされるかどうか: 一本化して勝てそうな地区は調整がされるであろう。

2. 候補者一本化発表の時期: 我々は早期発表を求め続けるが、残念ながら一本化発表は、公示直前と予想される。

3. なぜ発表できないのか: 野党共闘が必然であることは分かっているが、旧来からの支持団体の支援で当選してきた議員も抱えており、中央では「一緒に政権を目指す!」と公式宣言が出せないジレンマ状態にある。他方、全国的には、立憲野党を支えられる市民組織の無い地域もある。世直しのために、旧来支持団体も野党共闘に協力するような世論状況を我々が作ることが課題である。

3.では、地域ではどのように取り組めばよいのか

1. 政党に「一本化」は求めるが、そこにだけエネルギーは割かない。

2. 政策宣伝を中心とする

中央本部間での合意宣言がなされないため、市民や各党は、事実上絞られた候補者がいても、直接応援するスタイルはとれない。そこで、むしろ原点に立ち戻って、候補者ではなく、「こういう社会にしたい」という政策の宣伝を前面に出す。そのことにより投票率を上げ、有権者が立憲野党に比例票を投ずることで議席を増やす。

3.各党横並びでの宣伝も大事
候補者や地方議員が並んで、世間に野党共闘を可視化することも大事。それが、最終一本化された時に、支持者も含めて、こぞって応援する力になる(杉並の3候補街宣、10区のシンポ等)。

4.政策協定論議を通じて、市民が政治に何を求めるかを政党・候補者に伝えるプロセスも大事。

4. 候補者統一の見通しと地域組織の対応は、四種類にパターン化できる

地域によって、候補者統一状況はかなり異なる。それに応じて市民の対応も次のように考えられる。

候補者統一の状況

市民と政党との関係

宣伝の重点

小選挙区目標

比例区目標

A

候補者が一人で、事実上決まっている選挙区

地域の状況により、有志で選対準備会的な組織を作り活動を開始する等の工夫

その人と、政策、市民と野党の共闘を宣伝

候補者の当選

多くの有権者が野党に期待して、比例票を投ずること

B

おそらくこの候補で一本化だろうが、今は並立になっている選挙区

地域の状況により、AもしくはCと同様

街頭宣伝では各候補揃い踏みでの宣伝が大事。一本化されたときに気持ち良く共闘できる候補者同士、支持者同士の人間関係を作ることも大事

候補者の当選

C

一本化される可能性もあるが誰になるかわからない、一本化されない可能性もある選挙区

候補者一本化の地区に位置付けられるよう政党に働き掛ける。野党同士での直接の批判や票の奪い合いをしない関係をつくる

一本化すれば勝機がある選挙情勢を創る

D

各候補者が並立のままと思われる選挙区

市民は一本化折衝にだけエネルギーは割かない

自公政権批判の宣伝

 

*その他の情報は、HPをご覧ください。

 

「市民と野党をつなぐ会@東京」共同代表 鈴木国夫