地域から

市民と野党の共闘を県下に拡大、“駅前街宣作戦”で可視化を図ります

福岡県は、麻生太郎副総理(福岡8区、80歳)や武田良太総務大臣(福岡11区)の地元で、自民党が強いところです。現在、衆議院11選挙区すべてで自民党議員の当選を許しています。また、県議会や政令都市の北九州市などで共産党を除くオール与党体制がとられています。自民党内部では、2016年衆議院福岡6区補選で鳩山邦夫の次男鳩山二郎が無所属立候補、2019年県知事選での麻生対反麻生候補2名の擁立など内紛が何かしら起きるのですが、いざ選挙になったときはまとまります。さらに公明党・創価学会の集票力は、参院選の選挙区(定数3)で1議席を確保するなど大きいのが実状です。

一方、北九州市・宮若市・久留米市など、製鉄・自動車・製造業などの工業がさかんな地域では「連合」の影響力が大きく、立憲野党の関係者が一堂に会するということの壁は非常に高かったです。「市民連合ふくおか」は、20163月の結成時から2018年半ばまで、福岡県総かがり実行委員会や福岡県九条の会との共催で、大がかりな集会や街宣を繰り返すなかで、徐々にその壁を崩してきました。

201710月の衆議院選では、選挙直前に「希望の党」結成騒動もあって、野党共闘が成立したのは福岡3区など少数の選挙区に留まり、11選挙区すべてで立憲野党の候補者は敗北し、悔しい思いをしました(4人が比例区復活)。ただ、集票結果を見る限り、野党共闘が成立していれば勝てた選挙区が半数近くありました。私たちはそこに勝機を見いだし、野党間の距離を縮めること、市民の力をつけることで野党に市民の存在を認めさせることに努めました。立憲野党の国会議員を招いての討論会を複数回実施、2019年参院選後は4野党の国会議員を順番に招いて、「4党1会派に対する13項目の要望書」の中身についての確認を行いました。201912月末には福岡市・天神の繁華街で「桜を見る会 正月過ぎても忘れません」の街宣を野党共闘の形で、20201月末には地域政党「ふくおか緑の党」を含めた5党の国会議員・県連幹事長・党代表による討論会も実施し、実績を積み上げてきました。コロナ禍のもとでも、20207月、福岡市とその近郊である福岡1区・2区・3区・5区と比例区単独の立憲野党の立候補予定者全員とZOOMを活用して討論会を行いました。

2020年6月、福岡県の共産党は、野党共闘の条件付きではありますが立民・国民の現職国会議員がいる選挙区には候補者を擁立しない(2区・3区・10区)、社共共闘で4区11区にも候補者を擁立しない、と発表しました。野党候補者が依然として複数いる選挙区もありますが、実質一本化となっている選挙区もあります。2020年9月の旧立民と旧国民の合流では、旧国民所属の国会議員全員(衆2人・参1人の計3人)が合流し、新生・立憲民主党の県連に一本化されました。社民党についても、福岡県は残留を早くから決断していました。ですから、現在、国政での立憲野党は立憲民主党・日本共産党・社会民主党と、8区(麻生太郎の選挙区)に候補者を擁立したれいわ新選組になります。

「市民連合ふくおか」は、福岡県下を対象に活動を目指してはいますが、実際には福岡市とその近郊までしか目が行き届いていません。そこで、コロナ禍では、継続的な活動をするとともに、県下各地での市民連合の立ち上げができないかの働きかけを行いました。その結果、県下11の選挙区のうち、2020年末までに福岡1区・3区・4区・7区で団体が発足しています。福岡9区・10区(北九州市)には以前から活発に活動している団体があります。福岡2区・5区・6区などでも結成準備を進めています。

「市民連合ふくおか」は、各選挙区ごとの団体(「市民の会」など名称は様々です)とともに、連携しつつ立憲野党との関係をさらに深め、政策協議や統一候補づくりを要請していきます。加えて、立憲野党が勝つためには、投票率を高めることが重要です。福岡県下では、2030代の若年層は、2019年参院選では投票率が30%以下でした。投票しない、政治無関心層も半数以上います。その掘り起こしが重要です。そのため、福岡市天神の繁華街や、JR・西鉄・地下鉄の駅前などで、市民と野党が一緒になっての街宣による可視化に力を入れたいと思っています。駅前街宣作戦です。202010月と12月には、天神ど真ん中の若者が多く集まる公園で「投票への一歩 市民と野党でひらく 街角トークライブ」を開催しました。県下各地の選挙区でも、諸団体が拠点となる駅前や大型ショッピングセンター前などで始めています。広い県下各地で、市民と立憲野党の国会議員・地方議員・候補予定者が一塊になって、新たな政治の枠組み(政権交代)を目指している姿を多くの方に印象づけたいと頑張っています。

2021年は政権交代を見据えた決戦の年です。福岡県下でも、半数近くの小選挙区で勝ちたいと、決意を新たにしています。

市民連合ふくおか