地域から

野党共闘のちからで新型コロナ感染危機 と「府市広域一元化条例案」ゆるさない市民対話

商業・中小企業のまち大阪はコロナ感染死者・感染経路不明者が全国で一番多く、深刻さは日ごとに増しています。大阪の総選挙に向けた取り組みは、野党統一候補の実現にむけた働きかけを行っていますが、各野党からは「政党中央で決まっていくので、大阪レベルでは難しい、街頭宣伝などでの共同はすすめたい」との対応が続いています。これはこれとして、大阪の各選挙区市民連合は立憲野党と共に、維新知事と市長のコロナ渦対策を問い、対策を求める事と、そして3度目の都構想「住民投票」とも言うべき「府市一元化」の2月条例化(4月には施行)に三度阻止するために市民共同をつくり上げることを基本にしています。

コロナ感染危機は政治への最大関心ごとに、市を動かす成果も

新型コロナ感染は全国同様に府民の最大政治関心ごとになっています。「菅政権でいのちと商売を奪われる」「ゴテゴテの対応に開き直るってどんな感覚や」「菅や議員が平気で会食、我々は死活問題なのに、国会中継で野党が厳しく質問する姿見ていて、スカッとした」など、誰もが政治に怒りと意見をもっています。そう言う方に「自己責任やろ!これが新自由主義っていうやつや」と話しすると、対話は深まります。

コロナ渦で「自公政権にかわる新しい政治」を求めていることは間違いありません。また、アメリカで「中間層の崩壊」がトランプ離れとなったとも言われていますが、大阪での維新政治を一角で支えていた「中間層」が、「これはマズイと」気が付き始めているように思います。

確かに新型コロナ感染は突然に社会と生活を混乱させています。政府も大阪府も「経済対策と両立」を今になっても固守し、第3次補正予算を28日に自民・公明・維新で成立させました。維新の正体が支持基盤のひとつでもある商店・飲食業の方にも分かりやすい場面でした。

 各市民連合では市民団体とも共同しながら、早くからPCR検査実施を自治体に要請してきました。SND 12区市民連合は、SNSで野党のPCR検査要求や全国の事例を紹介しながら中核都市である寝屋川市の市長と当局に取り組みを働きかけ、成果を上げています。「感染の疑いがある人が電車でPCRセンターに訪れると感染拡大に繋がる」として、大阪府内初の『宅配型PCR検査』を導入しました。バイク便で自宅に検体容器が届くという宅配型PCR検査が始まります。MBS 関西のニュースでも報道されました。

 しかし、維新の市長である堺市の「市民1000人委員会」は、昨年4月に「新型コロナウィルス感染症対策に関する緊急市民要望」を提出懇談しましたが、大阪府と同様に進展していません。この要望書は、4日間にわたる市民からの電話・メール・面談での聞き取り、そして4次にわたる要望書案への意見集約に約70人の市民が参加し、市民の手で練り上げられたものです。

「府市広域一元化」条例案は「否決された大阪都構想」、維新がまたも民意無視

大阪府と大阪市は22日の副首都推進本部で、「広域一元化条例」案の骨子を確認。大阪駅北側の大阪都心部開発、高速道路・鉄道建設など大阪市が権限を持つ都市計画を大阪府に移管するものです。2月議会で採決し4月1日施行と言うとんでもない日程で強行しようとしています。維新は再び公明党大阪府本部を総選挙での対立候補擁立で脅しをかけていますが、公明党府本部への抗議や要請が相次ぐなど、維新戦略、3度目の大阪市制度いじりが市民からの反撃で通じるかどうか、予断は許されませんが大きな岐路に維新は立たされています。

これは11月の「住民投票」で、「大阪都構想」が否決され、維新政治の旗印が無くなる危機感があります。構想によって「成長する大阪」の成果(二重行政の解消も)を全国にも示し、総選挙では全国各地で維新候補を当選させたい思惑もあるのでしょう。

 実は、この路線はカジノIR・関西・大阪万博をこのコロナ渦でもやり遂げるという1兆円もの大規模開発の進行もありますが、もうひとつの狙いは内閣府が提唱する人口知能(AI)やビックデーターを含む先端技術を活用する都市計画である10年越しの「スーパーシティ」構想です。これらを実現するには大阪府は財源がありません、大阪市から2000億円を巻き上げる仕組み作りです。

 昨年11月の「住民投票」阻止で示された市民力、その運動団体が再び広く市民に呼び掛けて反対の運動が開始されています。しかし、この問題はコロナの問題もありマスコミも大きく取り上げておらず、「住民投票」のように知らされていません。30日には豊中・茨木・高槻など阪急線の市民連合が、淡路駅周辺にチラシ配布と「路地裏対話作戦(コロナ対応策で)」を予定しています。

野党連合政府なら、「こんな事がすぐに出来ます」アピールを

世論調査で菅政権は間もなく30%を切るかもしれません。しかし、その落ち込みと同程度で野党政党が支持を増やしている訳ではありません。ここ一番、野党は統一候補者づくりに動かないのなら、野党が国会多数となるための候補者調整を来月には期待します。現時点では少なくとも、野党が共同するなら「コレはこうの様に実現可能」というような共同チラシぐらい全国レベルで準備出来ないでしょうか、市民連合あげて歓迎し、市民と対話し広げることは私たちの喜びです。(2021年1月29日)

 

野党統一候補の実現めざす大阪アピール(大阪アピール)運営事務局 服部信一郎