臨時国会の早期召集を強く求める 市民連合声明
立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党などの野党は、7月31日、大島衆議院議長と面会し、憲法53条の規定に基づき、臨時国会の召集を求める要求書を提出した。市民連合としてもこの要求に賛同し、早急に臨時国会を召集するよう、強く求めるものである。
7月に入り、東京都を中心に新規感染者が増えつづけている。現在では愛知、大阪、福岡といった大都市部だけでなく、全国各地で、最多の感染者数の更新があいついでいる。しかし安倍政権は、官邸官僚主導の不公正かつ非効率な経済政策にまい進し続けるのみであり、感染症対策について、国民に対する説明責任を何ら果たしていない。
本来であればPCR検査の拡充によって、感染者を把握し、隔離することによって感染拡大を防止することが必要である。このことによって、はじめて、感染拡大防止と、社会経済活動とを両立することができるようになる。しかしPCR検査の件数はいまだに諸外国と比べても著しく低いままだ。
政治の最大の使命は、いのちと暮らしの選別を許さないことである。しかし、いま、人々の暮らしは破壊されつつある。雇用や教育、医療や福祉など、最も社会生活にとって必要な部分が危機に瀕している。医療崩壊を防ぎ、収入が減少している人々の生活を一刻も早く救済すべきだが、安倍政権は、場当たり的な政策を連発するのみであり、その責任を全く果たしていない。
第2次補正予算に計上された10兆円の予備費を、今こそ迅速かつ効果的に執行すべきである。そのためには与野党が、現場の声を聞き、衆知を集めて対策を作り出し、政府に実行を迫ることが不可欠である。
安倍首相は「4月の緊急事態宣言時とは大きく状況が異なっている」と述べているが、国民は、感染者の増加が続く事態がこのままで収束するのか、疑問を抱いている。感染が生じた際の具体的な防止策や、感染増が抑制されない場合の病院やホテルなどの施設の確保状況などについても、情報開示があまりにも不足している。政府の対応に業を煮やした東京都医師会が、異例の対応として、臨時国会の開会を強く要求したことを、重く受け止めるべきだ。
そのうえ、豪雨災害への対応もある。まさに、非常事態ともいえる今、政治の停滞は許されない。Twitterデモ「#臨時国会の開催を求めます」も拡大しつつある。政府与党は、これら世論に耳を傾け、新型コロナウイルス対策や豪雨災害への対応について、早急に臨時国会を開会し、安倍首相出席のうえ、すみやかに国会審議を開始すべきである。
2020年8月3日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合