コラム

April-29-2020

【日本のオルタナ 18の提言から】経済 金子勝×山口二郎

【短期連載 日本のオルタナ 18の提言から】
経済 金子勝×山口二郎

 この回は、おなじみの金子勝さんが真の経済再生の道筋について語ってくれました。アベノミクスのもとで日銀は巨額の国債と株式投資信託を買い込み、政府と大企業を支えてきました。金子さんはこれを「出口のないネズミ講」と呼びます。日銀が株を売れば株価が下がり、アベノミクスの一枚看板までも下ろさなければならなくなります。円安で大企業はもうかりましたが、賃金は下がり続けています。要するに、アベノミクスは新しいものを何も作らず、ただ大企業と富裕層の既得権を守る政策でした。実は、日本の産業はもはや世界最先端ではなく、産業の空洞化が進んでいます。再分配による平等も大事ですが、金子さんは再生可能エネルギーの普及による地域レベルからの新産業の育成という日本経済再生のビジョンを示します。

日本のオルタナティブについて

 今年の3月に、岩波書店から『日本のオルタナティブ』が刊行されました。著者は、金子勝、大沢真理、遠藤誠司、本田由紀、猿田佐世と私の6人です。これらの方々は今まで市民連合の活動を様々な形で応援してきてくれました。この度、安倍政治が日本の経済や社会をどのように壊したのかを明らかにしたうえで、ゆがんだ日本をひっくり返す、今とは逆の世の中を構想するというコンセプトで本を作りました。安倍政権は新型コロナウィルスへの対応で失敗や誤りを繰り返していますが、各種の世論調査では支持率はまだ40%程度を保っています。そして、その理由として最も多いのが、「他に代わりがいない」というものです。他にやりようがないは、英語では、There is no alternative(略してTINA) と言います。この諦めや無力感こそが民主政治を腐食させる元凶です。他にやりようがあるのだと多くの方に気づいてもらうために、オルタナティブという言葉を書名に入れました。

日本のオルタナティブ
壊れた社会を再生させる18の提言

https://www.iwanami.co.jp/book/b498650.html