コラム

【日本のオルタナ 18の提言から】 税と社会保障 大沢真理×山口二郎

【短期連載 日本のオルタナ 18の提言から】
税と社会保障 大沢真理×山口二郎

 この回は、社会政策が専門の大沢真理さんにこれからの財政、社会保障、雇用のあるべき姿について語ってもらいました。アベノミクスと言われる経済、財政政策は、国民共通の財産であるはずの財政を脆弱にし、格差と貧困はさらに広がりました。日本では徴税、社会保険料徴収と各種の社会保障給付の結果、格差はさらに拡大されるという信じがたい実態があります。まさにこのおかしな政策を逆転し、格差を解消し、働く人々の生活の基盤を充実することが、経済を活性化させ、行きやすい社会を作ることになることがよくわかると思います。

日本のオルタナティブについて

 今年の3月に、岩波書店から『日本のオルタナティブ』が刊行されました。著者は、金子勝、大沢真理、遠藤誠司、本田由紀、猿田佐世と私の6人です。これらの方々は今まで市民連合の活動を様々な形で応援してきてくれました。この度、安倍政治が日本の経済や社会をどのように壊したのかを明らかにしたうえで、ゆがんだ日本をひっくり返す、今とは逆の世の中を構想するというコンセプトで本を作りました。安倍政権は新型コロナウィルスへの対応で失敗や誤りを繰り返していますが、各種の世論調査では支持率はまだ40%程度を保っています。そして、その理由として最も多いのが、「他に代わりがいない」というものです。他にやりようがないは、英語では、There is no alternative(略してTINA) と言います。この諦めや無力感こそが民主政治を腐食させる元凶です。他にやりようがあるのだと多くの方に気づいてもらうために、オルタナティブという言葉を書名に入れました。

日本のオルタナティブ
壊れた社会を再生させる18の提言

https://www.iwanami.co.jp/book/b498650.html