声明 市民連合と野党の政策合意を受けて、参院選における協力の拡大を訴える
5月29日、市民連合と4野党1会派が、参議院選挙における共通政策について合意しました。また、32の1人区についても、野党候補者の一本化で基本的に合意が成立しました。これにより、参議院選挙における野党と市民の協力の体制が構築できたことを喜び、各野党の関係者の努力に深い敬意を表したいと思います。
しかし、候補者一本化と共通政策の実現は、参議院選挙の戦いのスタートラインに立ったことを意味するにすぎません。私たち市民連合は、3年前の参議院選挙において違憲の安保法制の廃止と立憲主義の回復のために、1人区の野党の協力を求めて立ち上がり、一定の成果を得ました。しかし、その後の3年間、森友学園、加計学園をめぐる疑惑と公文書改ざん、統計の不正など安倍政権の腐敗と不正は深まるばかりです。また、アベノミクスの破綻は明らかとなり、格差、貧困の拡大の中で、国民生活は厳しさを増すばかりです。それにもかかわらず、このような政権に責任を取らすことができないのは、国会において野党が少数派にとどまっているからです。
今回の参議院選挙では、安倍政権が進める憲法改正を阻止し、立憲主義と平和主義を回復することはもちろんですが、消費税率引き上げの延期、生活支援の諸政策の拡充、個人の尊厳を守るための法制度の整備、原発ゼロによる新たなエネルギー産業の育成など、重要な政策課題について、安倍政権の誤った路線を転換することが、日本の将来のためにも不可欠です。
野党と市民の広範な協力によって、この参議院選挙を日本における民主主義回復の第一歩とするよう、呼びかけたいと思います。万一衆参同日選挙が実施されることになっても、市民と野党の協力があれば、それは政治の転換を一気に早める機会となることを付言しておきます。
2019年5月29日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合