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December 30 2018

11/28 シンポジウム「安倍政権にかわる新しい選択肢」報告

11月28日(水)に王子・北とぴあにて、野党5党・1会派の幹事長・書記局長を招いて、シンポジウム「安倍政権にかわる新しい選択肢—改憲発議の阻止と参院選での躍進をめざして—」が開催されました。

立憲民主党 福山哲郎幹事長

国民民主党 平野博文 幹事長

日本共産党 小池晃 書記局長

社会民主党 吉川元 幹事長

自由党   森裕子 幹事長

無所属の会 大串博志 幹事長

 

第1部では、「野党は臨時国会にどう向き合うのか」をテーマに議論が行われました。コーディネーターは、山口二郎と諏訪原健が務めました。まず、コーディネーターの山口二郎から、現在の安倍政治の問題点をどのように捉えているか、そしてどのように各党が取り組んでいるのかについて、問いかけがありました。

 

それに対し、国民・平野幹事長は、臨時国会における入管法改正に向けた手続きが強行であるとした上で、今の国会は立憲権まで行政府に渡してしまっており、国会が形骸化していると批判しました。またこのような状況を是正するために、野党がしっかりと連携していく必要性があると述べました。

 

共産・小池書記局長は、入管法が異例のスケジュールで衆議院通過から間もなく、参議院に送られたことについて、「首相が外遊することに合わせて、国会の日程を決めるというのは、まさに国会が政府の下請け機関になるということ」だと指摘しました。野党共闘については、入管法や、沖縄県知事選、改憲への対応などにおいて、野党の結束が高まってきたことを踏まえた上で、今後、選挙での本気の共闘にどうつなげていくのかが課題になっていると述べました。

 

社民・吉川幹事長は、入管法がカジノ法の20時間よりも短い審議時間で参議院に送られたことを批判しました。また安倍政権の答弁などにおいて、「言葉がどんどん壊されていく」ことについての危機感を表明。その上で、「とにかく暴走を止めるために国会の残りの期間も、しっかりと共闘を深めていかなければならない」と訴えました。

 

自由・森幹事長は、前任の自由党幹事長である玉城デニー氏が立候補した沖縄県知事選での支援について感謝の意を示した上で、県民の思いを無視する安倍政権を批判しました。また外国人技能実習生への待遇の酷さ、また開示された調査票のコピーが許されないという事態などを挙げながら入管法をめぐる動きを「異常な事態」と評しました。さらに水道法や漁業法の改正も強行に推し進められていることに危機感を表明した上で、「絶望せずに何とか野党は共闘して頑張りたい」と語りました。

 

無所属の会・大串幹事長は、「無所属の会」として活動していることについて、「野党が今、別れた状況にある。しかし敵はただ一つ、安倍政権を倒していくこと。それは市民の皆さんと思いは一つ。これを成し遂げていくために無所属の立場からみんなまとまって頑張っていこうという声をかけやすい立場をとりながらやっていこう」という立場であることを述べました。また、安倍政権は国会の形骸化のために進化を遂げていると指摘し、その特徴として、強行採決と多くの法案を束ねて提出すること、中身のない法案を挙げました。その上で、野党共闘体制をつくっていくためには、国会での共闘が重要だとし、努力していく姿勢を示しました。

 

立憲・福山幹事長は、入管法について、これまでの法案と比べても短い時間で強行採決に至ったことを、「議院内閣制と議会の審議という国会のチェック機能を形骸化するもの」と指摘。また11月16日に国民民主党も含めた形では初となる野党と市民連合との意見交換会が実施され、さらに今回各党・会派の幹事長・書記局長が揃ってシンポジウムで揃ったことについて好意的に受け止めていることを述べました。

 

各党・会派からの発言を受けて、コーディネーターの諏訪原から、SNSでの意見を参考に質問が行われました。まずは国民民主党に対して、希望の党以来の経緯や働き方改革の審議における付帯決議などについて、市民の間に大きな不信感があることを踏まえて、国民民主党の野党協力の本気度を今一度示してほしいと投げかけました。

 

これに対し、国民・平野幹事長は、「我々が野党共闘したらこんな国にしていきますということをもっと明確に発信をしていかなくてはならない。こういう立場で、政党の違いだけを言うのではなくて、小さなことでも共通化し、市民連合の皆さんとともに闘える環境をどう作っていくかということが一番大事なことだと思っております」と述べた。

 

次に諏訪原からは、切迫した政治状況の中でシンポジウムではなく、街頭に出て訴えていくなどの取り組みをすべきではないかといった声を踏まえた上で、今後市民と連携しながら臨時国会において取り組む決意があるかについて問いました。

 

これに対し、立憲・福山幹事長は、「(安保法制の審議の際に、)国民の皆さんに背中を押されて我々は闘い切らなければいけないという気持ちになりました。私はあの時に、国会と国民は、これほど国会の内と外で繋がったことはありませんと申し上げました。我々も国会で頑張りますから、国民の皆さんにもそういう熱気で来年の夏の参議院選挙に向けて闘いはもう始まっているという状況の中でお力添えをいただければありがたいと思います」と訴えました。

 

さらにこの質問に対し、社民・吉川幹事長は、沖縄県知事選が「政府 対 県民」の構図になったと指摘し、「我々はしっかりと皆さんと一緒にタッグを組んで闘って行く」との決意を述べました。

 

ここで第1部は時間になったため、終了となりました。その後、ステージでは3000万人署名の政党への受け渡しが行われ、第2部「野党と市民で参院選をどう闘うのか」に議論は移ることになりました。コーディネーターは、山口二郎と馬場ゆきのが務めました。

 

まずコーディネーターの山口から「野党と市民は参院選に向けてどう闘うのか」について、「共闘」の選挙で結果も出している新潟選挙区の自由・森幹事長から意見を聞きたいと投げかけました。

 

自由・森幹事長は、過去の選挙を振り返りつつ、共闘の体裁を作り候補者を統一しただけでは勝つことはできず、各党でお互いの違いを認め合い、それを乗り越えた上で安倍政権にかわるビジョンと争点を明確に示し、勝利のために力を合わせる『本気の野党共闘』が必要であると訴えました。

 

次に、山口から「来年の参院選における協力の決意と安倍政治を倒すためにどういう争点でどう闘うか」について問いかけがありました。

 

問いに対し、立憲・福山幹事長は、来年の参院選では1人区における野党協力が必要性であると改めて訴えました。また、政党が違うため政策に違いがあるのは当然であるが、(お互いが協力できるところで)具体的には安保法制、原発ゼロ基本法、沖縄、について共通した政策で闘いたいと考えていると述べました。

 

国民・平野幹事長は、小異を捨てて、なぜ協力するのかを共有化することの重要性を語り、「衆参2/3を取られていることをとにかく解消しなければなりません。1人区の過半数以上を取ることで変わります。」と訴えました。

 

共産・小池書記局長は、沖縄県知事選の勝因の一つは辺野古新基地建設反対という明確な旗を揚げ、本気の野党共闘が行われたことであると分析。本気の共闘のためには魅力的な共通政策が必要であるとし、原点である立憲主義の回復、安保法制の廃止、経済問題も含めて豊かなものを作りたいと述べました。野党間の協力については、一人区一本化で闘うということを何らかの形で確認し、その上で具体的な議論に入って行く時期に来ていると述べました。

 

社民・吉川幹事長は、来年の参院選を「安倍政権の暴走を止める大きな闘いになる」とした上で、一本化するだけではなく、共通政策を作りながら市民が大きな力として加わる闘いを作る必要があると述べました。政策は、憲法の問題、暮らしの問題、富の再分配について共通政策としていきたいと述べ、「社民党は大変小さな政党ではありますがしっかりと野党共闘の中でみんなの意見をそれぞれ出し合いながら共闘体制を作っていきたいというふうに考えております。」と共闘の決意を述べました。

 

無所属の会・大串幹事長は、全国選挙である参院選は大きなうねりを全国的に作り、投票率をあげること鍵であると指摘。32の一人区で一本化し、「野党が勝つかもしれない」と国民が期待するようなうねりを作る必要があると述べました。一人区一本化を行い、「ねじれができるかもしれない」と国民が期待するところまで持っていくと決意を述べました。

 

続いて、馬場から選対に市民が入れるようなスペースをつくって欲しいと要望を出し、市民参加型選挙について問いかけがありました。

 

立憲・福山幹事長は、ご自身の選挙の経験より、市民がポスティング、ビラ配りなどに参加する機運が盛り上がる選挙を強い選挙であると指摘。市民の人に応援したいと思ってもらえるような空気や、あらゆる人が選挙に関わって盛り上がっている空気を意識的に候補者、選対、市民で作っていきたいと述べました。

 

自由・森幹事長は、若い人たちの新しい動き(選対の飾り付け、キッズスペースの設置)があらゆる人が参加しやすい空気を作り出した新潟の例を挙げ、真面目にやることも大事だが、意識的に新しいことやかっこいいことを行い、あらゆる人が参加できるように努力していきたいと述べ、「ぜひ市民の皆さんにはご活躍をいただきたいと思います。」と訴えました。

 

共産・小池書記局長は、市民と闘う選挙にしなければならない一方で、政党は政党の責任で政党間での合意をやっていかないといけないと述べました。

 

ここで、自由・森幹事長より、来年夏に迫った参院選に向けて野党の候補の一本化、あるいはどう闘っていくのかについて、野党第一党を中心に具体的に話を進めたいと要望がありました。

 

これを受け、立憲・福山幹事長は、『一本化を進める』ことは昨年冬から言い続けていることを主張。候補者を下ろすのは、候補者個人にも事情があり説得の材料も必要なため政党間の調整は容易ではなく、候補者がいればいるほど、時間がかかることを述べました。一方で、今このようにして話ができていることが重要であると述べ、「一人区一本化の努力は野党第一党として惜しむつもりはありません。」と一本化に向けて努力していく姿勢を示しました。

 

無所属・大串幹事長は、候補の影も形もない県が多くある現状を述べ、「我々も共闘の体制を作れるように一生懸命やります。一方で、全国の市民連合の皆さんにもお手伝いいただいて、候補者探しを一緒にしていただきたいです。」と訴えました。

 

国民・平野幹事長は、「今日会場に来られている方々は、政党の動き等々見られてイライラしているのだろうというふうに思います。そのことを十分に汲み取って、皆さんの思いを我々政党がしっかりと受け止め、一歩前、二歩前へと進めていきます。」と市民の思いを受け止め、野党協力を前に進めていく姿勢を示しました。

 

共産・小池書記局長は、たくさんの方が会場に来られ、ネット中継がされている中、各党の幹事長が一堂に会し「一人区一本化」と話したのは初めてであり大きな一歩であると評価した上で、これから急いで具体化していかなければならないと述べました。

 

さらに、馬場から、野党が来年の参院選で掲げるべきスローガンについて問いかけがありました。

 

無所属の会・大串幹事長は、「大企業、強い者優先の安倍政権か、生活の野党か。」と述べました。

 

自由・森幹事長「今だけ、金だけ、自分だけ、安倍総理のお友達だけ、じゃなく、やっぱり『国民の生活が第一』」。過去の選挙から「生活に密着した政策」をわかりやすく争点として掲げるべきであると述べました。

 

社民・吉川幹事長は、「暮らし」を中心に考えるべきであり、利益を専横できる今のシステムをかえて、国民の暮らしを立て直していくことが一番大きな課題であると述べました。

 

共産・小池書記局長は、「共闘の一丁目一番地は、立憲主義の回復、戦争法・安保法制廃止。暮らし、社会保障、雇用の建て直し、消費税10%ストップさせる。さらに、個人の尊厳を否定する差別の政治をやめさせる。そして、嘘のないあたりまえの政治をつくる。」と述べました。

 

国民・平野幹事長は、「国民生活を守る。そして、命を守る。人権がしっかりと守られ安心して暮らせる日本にする。」と述べました。

立憲・福山幹事長は、「まっとうな政治に取り戻す。そして、立憲主義を取り戻す。多様性を大切にする状況を取り戻す。来年の消費税増税ストップ。災害の多い日本で水道民営化を行うのは命を売るようなことでありそのようなことをする政権にはいい加減退出していただきましょうということを強く言うことが使命だと思います。」と述べました。

 

最後に、山口二郎より閉会の言葉が述べられました。今回のシンポジウムについて、野党の幹事長、書記局長が一堂に会し、一緒に闘うという方向性をはっきり共有できたということは大きな意味があったと評価。命、人権、そして立憲主義、安保法制の廃止、いくつか大事なキーワードが出た政策の柱、争点についてもこれから議論を尽くし、安倍政権にかわる選択肢に希望を持ち、来年の政治に立ち向かいたいと述べました。さらに、「引き続き、野党の皆さんの努力と奮闘を期待し、また市民の皆さんとともに政治の選択肢をつくっていくという決意を改めて固めたいというふうに思います。」と市民と野党の共闘を進めていく決意を述べ、シンポジウムは終了いたしました。