立憲4党と語る、
これからの日本 社会民主党編
安倍政権の欺瞞と、野党共闘への意志
津田 福島さんは女性の権利についても取り組んでおられます。夫婦別姓が最高裁までいって、ダメということになりましたね。これはなかなか差別的な判決だったと思います。
福島 差別撤廃の実現は少しずつできるようになってきていますが、まだまだこれからですね。
津田 女性の立場から変えてほしいと思うことはありますか?
岡 やっぱり女性が働きやすい社会にしてほしいです。結婚したら育児があるから、仕事はやめなきゃいけないという人がまだまだたくさんいます。
津田 社民党がここを変えていきたいというのはありますか?
福島 雇用の問題です。女性の54%が非正規雇用、シングルマザーの所得は平均168万円です。父が働けない、父がいないというだけで、生活が困難になってしまうという現状があります。当たり前に働いて育てるための賃金が必要です。
津田 今後の日本の課題として、経済の問題があると思います。生活実感に合わせて、格差を是正するといいますが、そのためのアイデアはありますか?
又市 これほど景気が停滞し続け、デフレが続いているのは先進国の中でも日本だけです。まずは、一人ひとりが自由に使えるお金が増えることが大切です。介護、年金の問題も、国民に対する負担ばかりが増えていきます。ですから、労働者の働く環境を整えること。非正規であっても最低賃金を時給1500円にする。そうすれば消費も内需も増えるでしょう。こうしたことが必要です。
津田 そのときの財源についてはどう考えていますか?
又市 法人税が低すぎると思います。いまの法人税率は昔の半分です。いまや消費税に頼ることになっている。これまでの消費税収の8割以上が、法人税減税の穴埋めになっています。このような不公平税制を改革することによって財源は確保できます。
津田 いまの安倍政権を見ていると実にしたたかです。外交は強硬的だし、歴史観も、右翼的な歴史修正主義です。しかし、残業規制や働き方改革など、リベラルに見える政策も打ち出していますよね。そこでリベラルはお株を奪われているのではないでしょうか?
福島 第一次安倍内閣のとき、安倍さんはジェンダー差別も酷かったんです。女性たちを敵に回した。ですから、いまはリベラルに見せかけつつ、本当にやりたい憲法改正をしようとしているのだと思います。本性を見せながら、女性の活躍を打ち出し、LGBTにもリップサービスをしていますが、本音は違います。働き方改革でも、男女の同一労働同一賃金はやりません。
安倍政権は、汚染水はダダ漏れなのに「コントロールされている」、女性を使い捨てで派遣後には解約なのに「女性の活躍」「一億総活躍」、「働き方改革」と言いながら、残業100時間。この酷さなんですよね。言っていることとやっていることが真逆です。
津田 社民党はいま議席が少なくなっており、国会内での影響力が少なくなっていきています。そんな中で社民党としてはこれからどのような活動をしていきますか?
福島 例えば、エキタスの運動を見ても、国民が社会民主主義を目指していることはブレないと思います。そしてそれを目指すことにおいて社民党もブレることはありません。ですから、大事なことは社民党の生活感覚に近い理念や政策を他の政党の人にも浸透させていくことだと思います。
津田 では、野党共闘に向けてどういうことをやっていきたいですか?
又市 衆議院選挙でも出来る限りの協力を進めるということで合意しました。私たちから提案しているのは、まずは可能な限り共通する政策を出し合おうということです。お互いに政策で合意するのが前提だと思います。また、小選挙区において可能な限り一本化を図ることも重要です。そして選挙協力は地方の実態に即して行う。そうやって、共闘のレベルを高めていくことです。
福島 何よりも、勝つことです。野党4党だけではなく、もっと広がって行くようにしていきたいです。例えば、保守の人たちに「あなたが支持してきた自民と、いまの安倍政権は全く違いますよ」と言って、市民の中に仲間を増やしていきたいです。実際に応援してくれる保守の人もいます。次の選挙において、みんなで民主主義を作っていくという楽しいことが起こればいいと思います。
又吉 政策的には社民党のものを支持する人はけっこういます。だけど、「実行できる議員がいないよね」と言われてしまう。ですから、共闘の中で議員立法としてそれの現実を図っていきたいです。そういう期待感も市民の中にあるから、市民連合と野党共闘で一緒にたたかって行きたいです。
福島 しかし選挙以前にまず、森友・加計学園の問題で安倍政権を退陣させたいとも考えています。
岡 社民党の人は現場に多くいるので、市民の立場からしても励まされることが多いです。市民の運動に深く関わっているので市民の実感と近いのだと思います。
津田 ありがとうございました。