ひろば

立憲4党と語る、
これからの日本 民進党編

「強い危機感と使命感を持って、野党勢力を結集し、政権を担うことのできる新たな政党をつくる」と宣言し、かつての民主党が民進党として再スタートを切ったのは、およそ1年前のこと。しかし、国会論戦で個々の議員の活躍が注目されることはあっても、党全体としてはネガティブなイメージを増幅させる報道が先行し、その支持率はなかなか上がらない。
では、今の民進党の本当の姿は?
「市民の動きをきっかけに垣根を超え、原発ゼロを明言し、脱原発を実現可能なものにしていく」と野田佳彦幹事長が語り、「政治家の自己実現、“男のロマン”追求のような独善的な政治ではなく、市民の声を聞き、解決策をつくり、実現する政治に変えていきたい」と山尾志桜里議員は応じた。
「国民とともに進む」政党となるべく自己変革に挑戦する、民進党のキーパーソンたちに話を聞いた。

民主党時代の反省と、民進党の新しい出発

津田 こんにちは、ジャーナリストの津田大介です。本日は市民連合主催の『立憲4党と語る、これからの日本』の企画の第一弾で民進党の皆さんにインタビューを行います。市民連合から岡歩美さんと一緒に、民進党幹事長の野田佳彦さん、民進党国民運動局長の山尾志桜里さんにお話を伺っていきたいと思います。
では、さっそく野田さんにお伺いします。まずは、民主党政権について伺います。期待の大きかった民主党政権の3年間については、さまざまな評価があります。元総理として、政権を取るまでの民主党、そして政権を取ってからの3年間をどのように振り返りますか?

野田 ひとつの例を挙げれば、官僚との向きあい方に問題があったと思います。わたしたちは「官僚主導」に対抗して、「政治主導」を掲げました。あくまで政治家が政権運営を主導する政治をつくろうとしました。そのため、困難な課題に直面したとき、官僚と一緒に、チームとして解決しようとしなかった。これが反省点です。課題の解決を役所の方々とも共有し、共に議論し、解決していく、政権運営の新しい仕組みを考えていかなければなりません。

但し、安倍政権を見ると、あまりに官僚と癒着しています。いわゆる「忖度」など、別の弊害も出てきている。ですから、もし次に政権をとったときは、頼れるところは頼りつつ、癒着のないよう、バランスをとって政権を運営していきたいと考えています。

津田 山尾さんは、与党としても、野党としても、経験があります。政権をとってからの3年間、それから民進党としての野党の期間をどう捉えていますか?

山尾 民主党に政権が代わってから、「一緒に変えたい」と思っている官僚の方もいたはずですが、協力することができなかった。そういった方たちと一緒に政権を運営できなかったことは反省しています。
いまは野党として、政権が提案する政策に対して、役所と一緒に修正や廃案を求めることがあります。そのときに、民進党はどんな哲学や態度をもって修正を求めるのか、なぜ反対なのかをしっかりと説明し、伝えることが大切です。コミュニケーションを通じて、役所とのかかわりを蓄積していきたいと思います。

津田 今日は市民連合から岡歩美さんにも来ていただきました。岡さんは、民主党から民進党への一連の動きについて、どうお考えですか?また、政治に興味をもったのはいつごろからでしょうか?

 わたしはもともと無党派で、ニュースを見ない若者でした。しかし、3.11をきっかけに政治に興味を持つようになりました。わたしの親は当時、民主党を応援していたけど、失望したことで、「やっぱり今の自民もよくないけど、民主に任せても期待できない」と、ニュースを見ながら言っているのを聞いて、ああそうなのかと思っていました。
しかし、SEALDsで市民運動に関わり、民進党の議員の皆さんと連携するようになって、真摯に向き合っている人もいるんだと、イメージが変わりました。

津田 野田さんは、民主党から民進党に、党名を新しい名前で再出発をしたことについてどうお考えですか?

野田 民主党時代に、高校の無償化をやりました。最近、大学生になった方たちにこう言われました。「あのときの無償化のおかげで、ぼくは公立高校を出ることができた。いまでは教育学部を出て、教師になれる」と。そういう意見を聞くと嬉しくなります。
そういった政策を、これから民進党として、もっとダイナミックにやっていきたい。過去のことで反省しなければいけないことはたくさんあります。しかし、これまでやってきたポジティブなことは引き続きやっていきたいと思っています。

津田 旧民主党と民進党で、受けついだ部分と変わった部分があると思うのですが、一番変わったのはどこでしょうか?

野田 あらためて理念や綱領を定義したことです。それは「自由・共生・未来への責任」です。この3つの理念をもとに政策を実行しようと合意しました。これらはいまの安倍政権でないがしろにされている重要な価値観だと考えます。

津田 山尾さんはいかがですか?

山尾 民進党になって、30代、40代の価値観を共有した若手議員の層ができたことは大きいと思います。それから、今の民進党にはまとまりがあります。政権をとっていた当時、原発の問題をどう解決するかでバラバラになってしまいました。「原発のない社会を目指す」という意志は同じだったのに、いつまでに実現するのかなどの各論では、割れてしまったんです。そして結局、沈黙を続けていた自民党に負けてしまいました。いまの民進党の議員たちは、バラバラになって負けたことの悔しさを共有しています。