市民と立憲4党の共闘の原点は、尊厳ある個々人の暮らしを守るための「リスペクトの政治」。 そこから浮かび上がる日本の課題、また必要な政策対応はどのようなものなのでしょうか。 市民の声に応え、衆院選で確かなオルタナティブを提示するために、 立憲4党それぞれが構想する未来の展望をじっくり聞いてみました。


May 08 2017

立憲4党と語る、
これからの日本 民進党編

市民と共に政治を変えるー政治にかける想い

津田 山尾さんは政治家になって、特にどこを変えたいと考えたのですか?

山尾 いまの政治は、自分の自己実現のためにやりたいことをやるという男性中心の政治だと思います。そういった、政治という仕事を使って男のロマンを追求するという政治を変えたいです。いまの自民党はそういう政治です。そうではなく、市民に求められていることをしっかりと受け止め、解決策をつくって、実行していく。そういう政治文化に変えていきたいと思います。

津田 そもそも検事から政治家に転身したきっかけはなんだったのですか?

山尾 検事をやって、ある事件に出会いました。60代のホームレスの女性が河原で殺されていました。犯人は、中学生男子3人と、30代の無職の男性の4人組でした。取り調べもしたのですが、不条理だと思いました。なぜ、このようなことが起きてしまったのか。問題を抱えた中学生たちや無職の男性を、政治や社会が「自己責任」の名の下に放置した結果、もっとも弱い立場のホームレスの女性がそのツケを回されたのではないでしょうか。
だれしも、自分ひとりだけの力で一生を送ることは困難です。だから、社会問題を「自己責任だから」と言い訳する政治を変えたい、そういう思いをもって、民主党に入りました。

津田 野田さんは、もともと政治家を目指したきっかけはなんだったのでしょうか。また民進党にかける思いはなんですか?

野田 わたしはもともと無口で、話すのが苦手でした。小学校のときに、生徒会長の選挙に無理やり出されて、それがいまでもトラウマです(笑)。だから、大学生のときは、ペンを通じて政治を変えようと政治部の記者を目指していました。

しかしある時、ふと、やる気になってしまい、自分でやってみようと思いました。政治の枠組みとして自民党に代わる、もう一つの政党をつくることに、全ての力を注ごうと、若い頃に決意をしました。というのも、オルタナティヴな政党をつくることが政治の前進につながると考えているからです。だから、保守系と言われながらも自民党には一度も入ったことがない。これだけは貫きたいと思っています。

また、こちら側が発信することよりも、市民の声、特に若い人たちの声を受け止めることを心がけています。 一人ひとりと膝を付き合わせながら、来るべき政権交代のために、国民政党として、徹底的に、耳を傾ける運動をしていかなければならないと考えています。

津田 では、現在さまざまな問題があるなかで、民進党はなにに一番力を入れますか?「ここを変えます」というのを教えてください。

野田 トータルな社会像としては、分厚い中間層の復活を目指します。アベノミクス政策にトリクルダウンというものがありますが、トリクルダウンは起きていないし、起こりません。ですから、わたしたちは、中小企業・地方・非正規雇用の人たちにスポットを当てた、きめ細やかな社会保障の政策をおこない、経済全体の底上げをします。崩れつつある中間層を守る、あるいは中間層からこぼれ落ちた人たちを支える、そういう政党としてやっていきます。

津田 自らを保守と位置づける野田さんが、それでもなお、自由や共生を掲げて政権の選択肢を増やそうとしています。その一番大きなモチベーションはなんですか?

野田 いま、総理周辺でうごめいている人たちは「陰険」な保守です。そうではなく、民進党は「穏健」な保守としてやっていきます。日本が一番よかったのは、中間層が分厚いことだったと考えている「穏健」な保守の人たちはたくさんいます。そのような分厚い中間層のなかでこそ、自由や、多様性が守られます。しかしそれが壊れつつある。ですから、中間層の厚い、共に生きる多様な社会を再び取り戻すこと、それは政治において最も重要なことではないでしょうか。

また、これは野党共闘とも関わることですが、わたしたちがこれまで関わってこなかった、市民運動をする人たちとお話をするなかで、実は市民と一緒にできることがたくさんあるのだと思えるようになりました。市民の動きが一つのきっかけになっています。垣根を超えられるようになってきていると実感しております。

津田 山尾さんにとって、民進党にしかない価値とはどういったものでしょうか?

山尾 市民の声とつながり、成功体験をつくっていけることだと思います。たとえば、大学の奨学金の問題について、10代の若い人たちが18歳選挙権をきっかけとして、大きな運動を起こしました。それを各野党は受け止め、4月から奨学金の問題解決に向けて、活動をはじめました。市民の声を受けて、こちらが変わらざるを得ませんでした。待機児童や保育の問題も同じです。

だから野党でも、市民と政治家がつながれば、ここまでできる。そういった成功体験を一個一個つみあげて、わたしたちが「政権をとりたい!」というのではなく、「民進党は野党でもこれほどがんばっているのだから、与党だったらもっとがんばってくれるんじゃないの?だったらもう1回政権を担わせてみよう」と、市民のみなさまから言ってもらいたい。そういう政党にしていきたいです。

津田 ありがとうございました。