市民と立憲4党の共闘の原点は、尊厳ある個々人の暮らしを守るための「リスペクトの政治」。 そこから浮かび上がる日本の課題、また必要な政策対応はどのようなものなのでしょうか。 市民の声に応え、衆院選で確かなオルタナティブを提示するために、 立憲4党それぞれが構想する未来の展望をじっくり聞いてみました。


May 08 2017

立憲4党と語る、
これからの日本 民進党編

民進党は政権を取る気があるのか?

津田 原発のお話が出たのでお伺いします。原発について世論調査をすると、いまだに民意の6〜7割は「脱原発」です。ところが、その民意は選挙結果にあまり反映されていない。それは、民進党が明確に「脱原発」を打ち出していないため、受け皿として頼りないからはないでしょうか?

野田 2030年代に原発ゼロを目指す、そのために全力を尽くす。これを野田内閣のときに決めました。

津田 当時、3種類の世論調査をしましたね。あれは非常によかったと思います。

野田 その世論調査を踏まえながら、議論しました。いまだに、原発ゼロを目指すということに変わりはありません。もちろん、代替エネルギーをどうするかなど、いろんな課題があります。いま、最新のエネルギー情勢を踏まえて、さらに丁寧な議論をしています。
次の選挙までには、エネルギー政策を一つの大きな柱として、政権公約に掲げます。確実に、自信をもって「原発ゼロ」を明言します。脱原発を、理想論に終わらせず、説得力があるもの、実現可能なものにしていきます。

津田 もともと民主党はとても幅の広い政党でした。保守の人も、リベラルの人もいました。ある意味で自民党以上に幅があると思います。山尾さんはいまの民進党の体質についてどのようにお考えですか?

山尾 確かに民進党にはリベラルも保守もいます。しかし、自己責任型の社会から、多様な価値観を認め、共に支えあう社会の構築を目指すために、0〜22才までの教育無償化を中心に社会保障のサービスを充実させていこうという方向性は共有しています。
また保守といっても、さまざまな定義があります。民進党のなかで保守というときの意味の1つには、手段としての保守、つまりリベラルな政策を、今までの積み重ねを尊重しながら地道に実現していこう、という趣旨がこめられているのではないかと思っています。

津田 これからクローズアップされていく問題として、都市と地方の対立があると思います。いまの民進党は、都市と地方という新しい軸があるときにどういう政策をやっていこうと考えていますか?

山尾 都市だけでなく、地域にも心をくばるのはとても大切です。保育園の待機児童が問題になったとき、「それは都市の問題でしょ?」という声がありました。しかし「保育園落ちた」というブログの意味は、自民党やこれまでの政治が、子供や若者に冷たい政治であることの指摘であり、その象徴的な出来事だったと思います。このことを切り口にして、さまざまな教育、保育の問題に関する声が広がっていきました。
確かに地方には待機児童は多くないかもしれない。しかし地方にも、教育に不安をもつ人はたくさんいます。子供を都会の大学に通わせることについて、「本当に通わせられるのだろうか?うちの家計はもつのだろうか?」という声をよく聞きます。
その意味で、ピンポイントの政策で、ひとつひとつ解決しながら、広げていくことはとても大切です。多くの市民に自分たちの悩みごとを解決してくれる政党だと思っていただけるように努力していきたいです。

津田 いま野党は、国会の質疑において、ただ反対をすることでしか存在感を示せなくなってきています。そんななかで、本当に民進党は政権を取る気があるのでしょうか?

野田 いま共謀罪に関しては、野党で一致して廃案に追い込もうとしています。しかし、ただ反対するというより、大きな立ち位置を明確にした上で反対していくという姿勢は大切だと思います。なんでもかんでも反対というわけではない。
たとえば、観光に力を入れることやオリンピックの開催には賛成です。テロ対策もやる必要がある。そういう前提に立つけれど、共謀罪はまやかしであるし、カジノ法案には反対しています。カジノなしで観光立国を目指せばいい。反対のための反対ではありません。

津田 しかし、国会中継などを見ると、どうしても反対のための反対に見えてしまうという問題があると思います。「対案を出すことが大事だ」と言われたら、民進党としてはどのように答えますか?

山尾 森友学園や共謀罪の問題について追及するのは、野党としてやるべきことです。それは他の野党と一緒に、堂々とやりたいと思います。
一方で、民進党がこれからやるべきことは、安倍政権の土俵に乗るのではなく、自分たちの土俵で勝負することです。安倍政権と向き合うのではなく、国民と向き合って、自分たちで土俵を設定して、提案していく。それは意味があることです。たとえば、安倍政権はもともと待機児童や保育の問題に取り組んでいませんでした。野党であるわたしたちが、市民の声を聞いて、問題を取り上げることで、政治が動いたんです。そうしたときに初めて、数では上回っている与党をリードできるようになるのだと思います。