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April 21 2017

「共謀罪」法案の廃案をめざす市民連合の声明

「共謀罪」法案の廃案をめざす市民連合の声明

 2017年通常国会に提出され、現在本格審議が始まった「共謀罪」法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の改正案)は、「既遂犯処罰の原則」にもとづく日本の刑法体系を大きく変え、さらに捜査範囲を一般市民に広げ、人権侵害をもたらすものです。
 安保法制の廃止と立憲主義の回復とともに「個人の尊厳を擁護する政治」の実現を訴えてきた私たち市民連合は、「共謀罪」法案に反対し、その廃案を求めます。

「共謀罪」を口実にして、一般の市民が広く捜査対象とされる危険
2017年「共謀罪」法案は、安倍政権の整理に従ったとしても、277もの罪について「共謀罪」規定を設けるものです。「共謀罪」が法制化されると、警察・捜査機関は、広く一般市民に対しても、組織的犯罪集団に関わっているかいないか、犯罪を遂行することを合意したか、犯罪に関わっていなくても、犯罪が起きていなくても、監視や捜査をするようになります。
政府は、一般人が「処罰の対象」となることはないと主張する一方で、一般人でも「捜査の対象」となることは否定せず、ごまかしの答弁を繰り返しています。これはまさに、一般の市民が捜査の対象となるからにほかなりません。
例えば、捜査機関が特定のSNSグループやそのなかのメンバーに疑いをかけたら、メンバー全員のリストを作成し、関係性を把握し、必要に応じて取調べなどを行うようになります。このような捜査活動は、一般の市民を日常生活の場で監視し、委縮させるものであり、プライバシー・自由に生きる権利を侵害するものです。

国連越境組織犯罪防止条約(パレルモ条約)はテロ対策のための条約ではなく、またその批准は「共謀罪」法の制定を必要としない
安倍政権は、国連越境組織犯罪防止条約(いわゆるパレルモ条約)に対応するために「共謀罪」法案を成立させる必要があると述べています。しかしパレルモ条約は、国際的な組織犯罪としてのマネーロンダリング(資金洗浄)対策を主な目的とする、いわば「マフィア対策」の国際条約であり、「テロ対策」ではありません。
またパレルモ条約の批准が「共謀罪」法の制定を前提とするという主張も事実ではありません。

そのため「共謀罪」の捜査対象となる罪の多くが、テロ対策と関係がない
安倍政権は、組織的犯罪集団が実行を計画することが想定されるかという基準で、「共謀罪」の捜査対象となる罪を選んだと説明しますが、実際には、著作権侵害など組織犯罪ましてやテロ対策とは無縁のものが大半を占めていて、立法の必要性を裏付けることはおよそ不可能です。

国会における説明責任を放棄し、「共謀罪」法制定を強行することは許されない
日本における刑法体系を根本から揺るがし、広く一般市民の日常生活を捜査機関の監視下に置く危険をうむ「共謀罪」を、安倍政権はあたかもテロ対策のために必要であるかのように国民をあざむこうとしていますが、現実には、テロ対策のためにあるわけではなく、マフィア対策としてさえ説明がつかず、またパレルモ条約批准のために必要というわけでもありません。
このため安倍政権は、国会での審議をないがしろにし、「共謀罪」法の必要性を説明することができない金田法務大臣が、大臣としての説明責任を完全に放棄する事態を早くも引き起こしてしまいました。自ら法案を理解し説明することができない法務大臣の任命責任を負う安倍首相もまた、説明責任を果たそうとはしていません。独裁的な安倍政権のふるまいによる議会民主主義の劣化、空洞化は、目を覆うばかりです。

市民連合は、2017年「共謀罪」法案の廃案をめざし、市民と立憲野党の共同をさらに広げるために全力で取り組みます。

2017年4月22日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

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共謀罪法案声明