市民と立憲4党の共闘の原点は、尊厳ある個々人の暮らしを守るための「リスペクトの政治」。 そこから浮かび上がる日本の課題、また必要な政策対応はどのようなものなのでしょうか。 市民の声に応え、衆院選で確かなオルタナティブを提示するために、 立憲4党それぞれが構想する未来の展望をじっくり聞いてみました。


May 15 2017

立憲4党と語る、
これからの日本
日本共産党編

怒りの声を聞き、地道にたたかっていくこと

津田 共産党はずっと労働者の権利を守ってきました。一方で、いま増えている非正規雇用に関してはどのようにお考えですか?

小池 かつては非正規雇用にはあまり光が当たっていませんでした。それを可視化したのが派遣村でした。今まではともすれば正社員中心の運動だったけど、非正規雇用の実態を見て、なんとかしないと、と迫られました。公務員でも非正規雇用が増えています。派遣村、ネットカフェ難民、ブラック企業などの問題も、たたかっている人々と共に行動する中で、政策化することができてきています。

津田 安倍政権も、教育勅語や安保法制をやりながら、働き方改革や再分配など、個別にはリベラルに見える政策をやっていますね。そのような動きをどのように見ていますか?

吉良 労働法規制の枠外に出る人を増やそうとしているのが、いまの政治のやりかたです。「働き方改革」ではフリーランスなどの、多様な働き方を増やすといいます。しかし、フリーランスは個人事業主、つまり労働者としてすら認められず、労働法規制の外に置かれます。そういう人も含めた日本で働くすべて人を保護するための制度づくりこそ必要だと思います。

小池 安倍政権のやっていることは「働き方改革」でなく、「働かせ方改革」ですよね。たとえば、「働き改革実現会議」のメンバーは、財界代表が日本経団連はじめ7名に対し、労働者代表は「連合」会長1名だけです。残業規制も経団連の意向を汲んで100時間残業ということになった。怒りの声があるから、口では改善すると言いますが、安倍政権には答えが出せません。だから野党や、市民団体が答えを出していかねばならないと強く感じています

津田 しかし、野党はそういった受け皿になりきれていないのではないでしょうか?

小池 安倍政権があれだけひどいことをやっているのに、支持率が下がらない。その最大の理由は、安倍政権に代わるイメージを、野党が示せていないことにあると思います。野党が責任をもって安倍政権とは違う政治の選択肢があるのだということを、野党共闘によって見せていく必要がある。いろいろな問題を、市民とたたかいながら、学び合いながら、政策を作るということができ始めていると感じています。

 まさにその通りだと思います。私たちがSEALDsでやろうとしたことも、そういったことでした。

吉良 共産党員は常に国民が声を上げる運動の場にいます。そこでの声を届けるのが議員の仕事です。活動では各地で声をあげ、その声を政治の場に届けることが習慣になっています。

小池 私の国会での質問も、「暴露」とか言われますが、地域の平和運動を地道にやっている人たちから情報が寄せられてくるんです。昔からの草の根のネットワークの積み重ねによって成り立っています。

津田 小池さんの国会答弁はいつも爆弾ですよね。赤旗の調査報道もすごいクオリティです。しかし赤旗も共産党も敬遠されがちです。それはやはり共産主義を掲げていることが問題なのではないでしょうか? 具体的に共産主義とはどういったことを目指すのでしょうか?

小池 私たちには「資本主義はこのままでいいのか?」という問題意識があります。いま世界は様々な問題を抱えていますが、例えば地球温暖化など、資本主義の論理だけでは最終的な解決はできません。一部の人たちだけが利潤を独占する社会ではない、もう一歩次の社会に行くことができるのではないでしょうか。

津田 いまヨーロッパで起きていることは示唆的です。排除された移民・難民の問題やISISの問題も資本主義とは無関係ではありません。そんな中で、共産党はこういう風にしていけばいいというのはありますか?

小池 もちろん、一足飛びに資本主義を抜け出そうとしているわけではありません。ヨーロッパにもさまざまな課題がありますが、たとえば労働時間規制問題に関しては日本よりも解決が進んでいます。派遣労働者もきわめて少ないです。まずは、資本主義の中で民主的にルールを作り、格差と貧困をなくしていく、経済にもデモクラシーをつらぬくことが大切です。